お葬式で着用する喪服の選び方とマナー ~女性編~

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お葬式で着用する喪服の選び方とマナー ~女性編~

葬儀・告別式などの「お葬式」に参列するときに着用する喪服について、基本的なマナーは心得ていても、細かい部分ではよく分からないということも多いのではないでしょうか。特に女性の場合は服装だけでなく、靴やバッグ、アクセサリー、メイクなど注意すべきポイントがたくさんあります。今回は女性の喪服の選び方やマナーについてご紹介します。

  1. 礼装とは
  2. 女性の喪服には3種類ある
  3. 葬儀別の服装の選び方
  4. 喪服以外の靴やバッグの選び方
  5. そのほか、女性が喪服を着るときに押さえておきたいポイント
  6. 失敗しない! 喪服のコーディネート実例紹介

礼装とは

「礼装」とは結婚式や葬儀などの冠婚葬祭の儀式に参加する際に礼服を着用すること、もしくは礼服そのもののことを指したりもします。

大切な場での礼装は、その場の雰囲気を壊さないための基本的なマナーです。葬儀・告別式においても、ふさわしい礼装で故人を偲びたいものです。

葬儀・告別式などに参加する際に着用する礼服のことは、「喪服」といいます。同じ喪服でも、格式によって種類が異なったり、女性と男性で気にすべきことも違っていたりします。

突然礼装が必要になった場合に慌てないためにも、着用シーンや立場による違いをしっかりと理解して、正しい礼装を選べるようにしておきましょう。

女性の喪服には3種類ある

喪服は格式によって正喪服、準喪服、略喪服の3種類に分けられます。それぞれ着るべきシチュエーションが異なり、守らなければならないマナーも存在します。まず、3種類の喪服の違いについて知っておきましょう。

正喪服

最も格式の高い喪服です。女性の洋装の正喪服は、光沢感のない黒無地のワンピースにボレロ、またはアンサンブル、スーツなどのブラックフォーマルが該当します。男性のモーニングと同等のものという言い方もできます。ただし、女性の正喪服にはパンツスーツは入らないというのが一般的な認識です。

正喪服は葬儀や告別式などの席で、喪主と親族(三親等まで)が着用するものです。それ以外の参列者が着るのは、喪主などより格上の服を着ることになってしまうことからマナー違反とされます。ただ近年は、喪主や親族も次に挙げる準喪服を着用するケースが増えています。こちらはマナー違反にはあたりません。

準喪服

正喪服の次に格式の高い準喪服は、お葬式や法事などの弔事で最も多く着用される喪服です。女性の場合はワンピース、アンサンブル、スーツなどのブラックフォーマルが該当し、正喪服とほぼ同じです。男性の場合はブラックスーツが同等の格式です。

一般的に喪服と言えばこの準喪服を指します。参列者としてお葬式やお通夜に出る際は準喪服を着用するものと考えて差し支えないでしょう。

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略喪服


略喪服は喪主側から「平服」を指定された場合に着用する、準喪服より格下の喪服です。ブラックフォーマル以外の黒、紺、グレーなどの地味な色のワンピース、スーツなどが該当します。お通夜や仮通夜など、急な訃報に「取り急ぎ駆けつける」場合も略喪服を着ることがありますが、最近はお通夜で準喪服を着る人も増えています。

葬儀別の服装の選び方

近年のお葬式は、宗派による違いだけでなくさまざまな種類があります。故人や遺族の思いに合わせて自由に選ぶことができる一方で、参列する側にとっては初めての形式に戸惑うケースもあるはずです。そこでここからは、葬儀別の服装の選び方について詳しく紹介していきます。

家族葬の場合

親族の服装は、基本的には一般葬と同じ考えで問題ありません。男性であれば光沢のない黒いスーツ、黒いネクタイ、黒い靴、女性であれば光沢や透け感のないワンピース、黒い靴といった具合です。

ただし規模の小さなお葬式にする場合には、いわゆる略礼服と呼ばれるスタイルにすることも。他の参列者が迷うことがないように、予め服装について分かりやすく伝えておくことが大切です。

リモート、オンライン葬儀の場合

リモート葬儀やオンライン葬儀は、インターネットを使って葬儀のライブ配信を視聴して参列する新しい葬儀のスタイルです。

参列者は実際に葬儀会場へ足を運ぶわけではありませんが、画面越しに写ることもあるため、故人や親族への礼儀として喪服を着用するのが良いでしょう。遺族側から事前に「平服で」という連絡を受けていた場合も、黒のワンピースなど略礼服を選ぶのが理想的です。

お別れの会、しのぶ会の場合

お別れ会やしのぶ会に出席する際の服装は、原則として案内状に記載されている服装に従うのが一般的です。例えば、案内状に「平服」と書かれていた場合には、女性は黒のワンピースやアンサンブルなどを着用し、男性も黒を貴重としたスーツを選ぶのが良いでしょう。

ただし、葬儀や四十九日の法要と同じ日にしのぶ会が開催される場合には、親族側は喪服を着用しているケースがほとんどのため、参列者側も喪服を選ぶのが安心です。

喪服以外の靴やバッグの選び方

靴の色は黒が基本です。暗い色であっても黒以外は避けた方が無難でしょう。素材は本革でもかまいませんが、合成皮革や布製の方がベターです。また、クロコダイルなどは殺生を想起させるため避けた方が良いということを覚えておきましょう。ピンヒールや装飾付きの華美な靴、カジュアルすぎるデザインの靴も好ましくありません。光沢の少ない黒のシンプルな布製パンプスであれば足も疲れにくく、弔事にふさわしいでしょう。

バッグも同じように、殺生を連想させる革製のものはなるべく避けるのがマナーです。毛皮も同様の理由でマナー違反とされています。またショルダーバッグもあまり望ましくありません。光沢やツヤを抑えた、金具部分などもあまり目立たない布製の黒のハンドバッグがあれば理想的です。手荷物が増えることを考えてサブバッグも用意すると安心です。

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メイクやアクセサリーなどはどうする?

メイクやアクセサリーについても気を配る必要があります。喪服を着るときにふさわしいメイク、アクセサリー、髪型、ネイルについて説明します。

メイクはナチュラルメイク

派手なメイクは避けるのが基本です。好ましいのはナチュラルメイクですが、メイクをしないという意味ではなく、メイクは必ずするようにしましょう。ノーメイクは逆に失礼にあたるとされています。

アイシャドウやチークに使う色はごく控えめに、アイラインやマスカラはしない方が良いでしょう。口紅はかまいませんが、ベージュ系など自然でマットな色にするのが望ましく、ラメや艶が出るグロスは派手になり過ぎてしまうため、使わないようにしましょう。全体に品の良いシンプルなメイクを心がけてください。

アクセサリー

アクセサリーは、結婚指輪以外は原則NGです。ただ、女性の洋装の場合、「涙の象徴」ともされるパールはマナー違反とはなりません。小ぶりのホワイトパール、ブラックパールなどを選びましょう。

ただし、パールのアクセサリーを着けるときにもマナーがあります。まずフォーマルな装いでは、ネックレスとイヤリングのどちらか一方だけを着けるのではなく、双方をセットで身に着けましょう。さらに、ネックレスは必ず1連のものを選びましょう。2連・3連のネックレスは「不幸が重なる」を連想させるため、弔事では避けるべきとされています。加えて、ネックレスの長さは40cm程度までのものを選ぶのが一般的です。

髪型やネイル

髪型は基本的には自由ですが、ロングの場合はご焼香をするときなどにじゃまにならないよう、ゴムやピンで一つにまとめるのが一般的です。その際は、髪を耳より下の位置で結びましょう。高めの位置で結ぶと派手な印象になり、慶事のヘアスタイルに近くなってしまいます。黒いゴムのほか、バレッタやバンスクリップ、シニヨンバレッタなどのヘアアイテムを使っても良いですが、黒で装飾の少ないものを選ぶようにし、派手にならないように気を付けましょう。

マニキュアはつけないことが基本ですが、透明やベージュなど地味なものであればマナー違反にならないという考えもあります。ペディキュアもストッキングから透けて意外に目立ちます。落としてから参列した方が良いでしょう。また、ジェルネイルは自分で落とすことができませんので、上からベージュなどのマニキュアを重ねて塗って対処します。

そのほか、女性が喪服を着るときに押さえておきたいポイント

ほかにも喪服を着るときに配慮しておくべきポイントを挙げてみます。細かいことですが、失礼のないようその場にふさわしい服装で臨むという気持ちが、お悔やみの意思を示すことにもつながるものです。

なるべく肌は見せない

肌の露出はなるべく控えることを念頭に置いて身だしなみを整えましょう。体のラインが出てしまうデザインの服も好ましくありません。

スカート丈はひざが隠れる長さ

喪服のスカート丈はひざ下からふくらはぎくらいの長さが一般的です。短くても、ひざが隠れる丈にしましょう。これもなるべく肌を見せないというマナーに沿ったものです。

夏場の袖は5~7分丈でも良い

肌を見せないとはいえ、夏場は長袖だと暑いこともあります。準喪服でも略喪服でも本来は長袖を着るのがマナーですが、現在は5~7分丈でも許容範囲内だとされています。

ストッキングは黒の無地を選ぶ

ストッキングは黒の無地のものを履きましょう。略喪服では肌色のストッキングが許容されることもありますが、基本は黒です。タイツはカジュアル寄りになるのでNGですが、寒い季節は60~80デニールくらいまでの黒のタイツであれば問題ないとされることもあります。

ブラウスも黒を選ぶ

正喪服と準喪服でスーツタイプの服を着用する場合、ブラウスは黒を選んでください。準喪服では黒のレースやフリルがついたタイプのブラウスでも良く、正喪服では黒の装飾のないタイプのブラウスを着ます。略喪服ではスーツに合わせて、落ち着いた色か白のブラウスでも良いでしょう。

失敗しない! 喪服のコーディネート実例紹介

最後にコーディネートをご紹介します。

七分袖ワンピースコーディネート

マニッシュなショールカラージャケットに七分袖ワンピース。細身のショールカラーはすっきりとシャープで大人の印象に。ワンピの胸元にはタック入り。女性らしさを忘れずにコーディネートしてみてください。

ノーカラージャケット+五分袖ワンピースコーディネート

女性らしいノーカラージャケットに五分袖ワンピース。Aラインに広がるワンピースに加え、短めの着丈とサテン切り替えがウエストに施されたジャケットが、視線を上に誘導し、スタイルよく見せてくれます。

お葬式などの弔事に参列する際、女性の喪服にはここに挙げたようなマナーや約束事があります。失礼のないよう、マナーやTPOを守った服装を心がけてください。

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