Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

Voice.13 Breathtaking ! Underground ポップで骨太なグラスゴーの新風


新たなランドマーク誕生の表参道。世界に情報を発信し、新たなカルチャーが生み出されるこの街に、英国カルチャーを席巻するあの4人組がやってきた


私はずいぶん前からフランツ・フェルディナンドに興味を持ち、BBCラジオのDJであったジョン・ピールを通して、ロンドンで彼らと会うチャンスを得た。ファーストアルバムをリリースしながらも、セカンドアルバムの作詞・作曲を完成させようとしていた彼らは、音楽に対してむき出しのエネルギーを維持し続けている。これが、才能のあるミュージシャンのサインだと思う。

2006年2月9日。フランツ・フェルディナンドは、Zepp Tokyoのステージに立った。私はこのライブに見に行った。バンドのメンバーはアレックス、ニック、ポール、ボブの4人で、キーボードとしてアンディもこのツアーに参加。エネルギッシュにノンストップで演奏する彼らに、平均年齢およそ20歳前後の若い観客は熱狂、まるで英国の小さなクラブを彷彿とさせた。
コンサート終了後、楽屋を訪問する機会があり、ライブに感動したことを伝えた。私は、彼らは自身の衣装(服)がとても好きだということに気づいたので、彼らのファッションについて触れてみたら、「自分たちの好きな服を着るということは、ライフスタイルと音楽において重要なこと」という答えが返ってきた。音楽にかける情熱と同じように、ファッションに対しても情熱をもっているからこそ、ステージもプライベートも注目されている。フランツスタイルが支持されているのは明らかだ。

ライブ翌日の2月10日。初めて彼らの音楽を聴いたときはインスパイアされて、何枚かシャツをデザインしたことをアレックスとニックに話すと、彼らはシャツにとても興味を示してくれた。そこで、何枚かのシャツを4人に見せてみたところ、彼らは喜んでくれてステージでそのシャツを着ることを決めたのだ! 実際、武道館でのコンサートの打ち上げで、アレックスとニックは二人とも赤いステッチ入りのオリヒカのデニムドレスシャツを着ていた。彼らはそのシャツをとても気に入って、今シーズンのツアーの間、衣装として着るとも言ってくれた。

2月11日の土曜日。ホテルに飽きた彼らを連れて、下北沢へ。東京のアンダーグラウンドカルチャーをぜひ知って欲しいと思い、この場所に決めた。私たちは、古着屋やレコードショップ、ビレッジバンガードなどを見て、思い思いに楽しんだ。4人は、下北沢を気に入っていた。小さなライブハウスに個性的なショップは、彼らのルーツ、スコットランドのグラスゴーにどこか似ているからだろう。ちなみに、ポールはコレクターアイテムであるレコードを大量購入。「おたく」と呼べるほど、レアものレコードのコレクターなのだ。

下北沢から、私たちは電車で渋谷に行き、表参道に向かって歩いた。途中、東急ハンズで買物をし、キャットストリートを通って原宿に入った。その日はちょうど「表参道ヒルズ」オープンの日で、皆、買物客の多さにびっくりしていた。そしてついにORIHICA表参道に到着。ORIHICAのコンセプトやショップのスタイル、カジュアルからスマートカジュアルまでのコーディネートを、彼らは受け入れてくれた。これは、フランツの哲学と共通する部分があるからのようだ。アンディはすぐにデニムシャツを購入してくれた。


フランツ・フェルディナンド プロフィール
2001年、スコットランドのグラスゴーにて結成。サラエボ事件で暗殺されたオーストリア皇太子の名前「フランツ・フェルディナンド」がバンド名の由来。メンバーは、アレックス(Vo&G)、ボブ(B)、ニック(G)、ポール(Dr)。2003年9月に英国のインディ・レーベルからリリースされシングル「Darts Of Pleasure」がシーンに決定的な衝撃を与える。ファースト・アルバム「Franz Ferdinand」は、一週間で8万枚を売り上げ全英ナショナル・チャート初登場3位。2005年、UK新人では唯一のグラミー賞でのオープニング・パフォーマンスを務めた。

Backnumber

グレンチェックのスーツ
ロンドンでフランツ・フェルディナンドに会ったとき、ボブが着ていたのはグレンチェックのスーツ。グレンチェックは、彼らのルーツ、スコットランドが発祥。

ウエスタンシャツ
アメリカンウエスタンスタイルのシャツを好きなフランツ。彼らに触発されてデザインしたシャツは、スコッチタータンとベルベットテープを使い、よりロマンティックに。

デニムドレスシャツ
現在のオリヒカリミックス仕様で、カフスにスタッズボタンと袖にピンタックを入れた、赤いステッチ入りのドレスシャツ。ニックとアンディがこのシャツを好んで着てくれた。

ライダースジャケット
ニックのお気に入り、白のライダースジャケット。


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。

Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

Voice.13 Breathtaking ! Underground ポップで骨太なグラスゴーの新風


新たなランドマーク誕生の表参道。世界に情報を発信し、新たなカルチャーが生み出されるこの街に、英国カルチャーを席巻するあの4人組がやってきた


私はずいぶん前からフランツ・フェルディナンドに興味を持ち、BBCラジオのDJであったジョン・ピールを通して、ロンドンで彼らと会うチャンスを得た。ファーストアルバムをリリースしながらも、セカンドアルバムの作詞・作曲を完成させようとしていた彼らは、音楽に対してむき出しのエネルギーを維持し続けている。これが、才能のあるミュージシャンのサインだと思う。

2006年2月9日。フランツ・フェルディナンドは、Zepp Tokyoのステージに立った。私はこのライブに見に行った。バンドのメンバーはアレックス、ニック、ポール、ボブの4人で、キーボードとしてアンディもこのツアーに参加。エネルギッシュにノンストップで演奏する彼らに、平均年齢およそ20歳前後の若い観客は熱狂、まるで英国の小さなクラブを彷彿とさせた。
コンサート終了後、楽屋を訪問する機会があり、ライブに感動したことを伝えた。私は、彼らは自身の衣装(服)がとても好きだということに気づいたので、彼らのファッションについて触れてみたら、「自分たちの好きな服を着るということは、ライフスタイルと音楽において重要なこと」という答えが返ってきた。音楽にかける情熱と同じように、ファッションに対しても情熱をもっているからこそ、ステージもプライベートも注目されている。フランツスタイルが支持されているのは明らかだ。

ライブ翌日の2月10日。初めて彼らの音楽を聴いたときはインスパイアされて、何枚かシャツをデザインしたことをアレックスとニックに話すと、彼らはシャツにとても興味を示してくれた。そこで、何枚かのシャツを4人に見せてみたところ、彼らは喜んでくれてステージでそのシャツを着ることを決めたのだ! 実際、武道館でのコンサートの打ち上げで、アレックスとニックは二人とも赤いステッチ入りのオリヒカのデニムドレスシャツを着ていた。彼らはそのシャツをとても気に入って、今シーズンのツアーの間、衣装として着るとも言ってくれた。

2月11日の土曜日。ホテルに飽きた彼らを連れて、下北沢へ。東京のアンダーグラウンドカルチャーをぜひ知って欲しいと思い、この場所に決めた。私たちは、古着屋やレコードショップ、ビレッジバンガードなどを見て、思い思いに楽しんだ。4人は、下北沢を気に入っていた。小さなライブハウスに個性的なショップは、彼らのルーツ、スコットランドのグラスゴーにどこか似ているからだろう。ちなみに、ポールはコレクターアイテムであるレコードを大量購入。「おたく」と呼べるほど、レアものレコードのコレクターなのだ。

下北沢から、私たちは電車で渋谷に行き、表参道に向かって歩いた。途中、東急ハンズで買物をし、キャットストリートを通って原宿に入った。その日はちょうど「表参道ヒルズ」オープンの日で、皆、買物客の多さにびっくりしていた。そしてついにORIHICA表参道に到着。ORIHICAのコンセプトやショップのスタイル、カジュアルからスマートカジュアルまでのコーディネートを、彼らは受け入れてくれた。これは、フランツの哲学と共通する部分があるからのようだ。アンディはすぐにデニムシャツを購入してくれた。


フランツ・フェルディナンド プロフィール
2001年、スコットランドのグラスゴーにて結成。サラエボ事件で暗殺されたオーストリア皇太子の名前「フランツ・フェルディナンド」がバンド名の由来。メンバーは、アレックス(Vo&G)、ボブ(B)、ニック(G)、ポール(Dr)。2003年9月に英国のインディ・レーベルからリリースされシングル「Darts Of Pleasure」がシーンに決定的な衝撃を与える。ファースト・アルバム「Franz Ferdinand」は、一週間で8万枚を売り上げ全英ナショナル・チャート初登場3位。2005年、UK新人では唯一のグラミー賞でのオープニング・パフォーマンスを務めた。

Backnumber

グレンチェックのスーツ
ロンドンでフランツ・フェルディナンドに会ったとき、ボブが着ていたのはグレンチェックのスーツ。グレンチェックは、彼らのルーツ、スコットランドが発祥。

ウエスタンシャツ
アメリカンウエスタンスタイルのシャツを好きなフランツ。彼らに触発されてデザインしたシャツは、スコッチタータンとベルベットテープを使い、よりロマンティックに。

デニムドレスシャツ
現在のオリヒカリミックス仕様で、カフスにスタッズボタンと袖にピンタックを入れた、赤いステッチ入りのドレスシャツ。ニックとアンディがこのシャツを好んで着てくれた。

ライダースジャケット
ニックのお気に入り、白のライダースジャケット。


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。