お葬式で着用する喪服の選び方とマナー ~男性編~

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お葬式で着用する喪服の選び方とマナー ~男性編~

お通夜とお葬式では、着る服の種類やマナーに違いがあります。それぞれ、どのような服装がふさわしいとされているのか、今回はお葬式などで着用する服の選び方とマナーについてご紹介します。

  1. お通夜とお葬式の違いは?
  2. 礼装とは?
  3. 男性が葬儀で着る喪服の格式
  4. 男性のお通夜での服装
  5. 男性のお葬式(葬儀・告別式)での服装と選び方
  6. 靴とベルト・靴下の選び方
  7. その他に必要な小物
  8. 失敗しない! 喪服のコーディネート ~準喪服編~

お通夜とお葬式の違いは?

そもそも、お通夜とお葬式は何が違うのでしょう? それぞれの意味を知っておけば、服装に対する考え方も理解しやすくなります。

お通夜

お通夜はもともと葬儀と告別式の前夜、亡くなったその日に夜を通して身内で行うものです。しかし、現在ではお通夜というと亡くなった翌日の夕方頃などに、一般の弔問客を迎えて1~2時間で行われるものを指すことが多くなっています。故人の仕事の関係者などで、翌日の告別式には都合が合わず出席できないという人は、「半通夜」とも呼ばれるこの時に訪れて、ご焼香などをして故人とのお別れをします。

お葬式

多くの場合、お通夜の翌日には葬儀と告別式が行われます。お葬式という言葉は本来お通夜と葬儀、告別式などの総称なのですが、現在では告別式と区別されずに使われることが多いようです。葬儀は親族や遺族が故人の冥福を祈り、この世からあの世へと渡らせる仏教の儀式です。告別式は知人なども参列し、最後の別れを告げる仏教と直接は関わりのない儀式です。この葬儀と告別式も現在では葬儀・告別式として同じように扱われることがあります。若干、複雑ですがお通夜とお葬式(告別式、または葬儀・告別式)は別々に行われるものということを覚えておきましょう。付け加えれば、仕事の関係者や知人であれば、お通夜かお葬式のどちらか一方に出席するか、時間が許せば両方に出席することになるでしょう。

礼装とは?

お葬式で着用する喪服を準備する際に、「礼装」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。礼装というのは、結婚式やお葬式などの冠婚葬祭に参列する際に礼服を着用すること、もしくは礼服そのもののことで、なかでもお葬式に着用する服装を喪服と言います。

礼装には格式の高い順に正礼装、準礼装、略礼装と3つの種類があり、立場や着用シーンによってどれを選ぶべきかが決められているため注意が必要です。例えば、お葬式で正礼装を着用できるのは遺族とその親族のみで、一般の参列者が正礼装を着用することはマナー違反となります。一方、準礼装は遺族から一般の参列者まで幅広く着用できる喪服です。

このように、礼装には古くからのしきたりがあるため、冠婚葬祭に出席する際には正しいものを選べるようにそれぞれの違いをきちんと理解しておくことが大切です。

男性が葬儀で着る喪服の格式

喪服の格式としては正喪服、準喪服、略喪服という呼び方をします。では、お通夜とお葬式ではどのような服装がふさわしいかご紹介します。

正喪服

正喪服は最も格式の高い礼装です。男性はモーニングが正喪服であり喪主のみが着用します。ジャケットとベストは黒(墨黒)、パンツは黒かグレーに黒の細いストライプ(コール縞)が入ったものを着用。ワイシャツは白の無地、ネクタイは黒の無地です。

準喪服

弔事において最も一般的に着用されるのが準礼装で、男性の場合はブラックスーツが該当します。弔事用のブラックスーツは漆黒に近いもので、ビジネススーツとして売られている光沢や艶のある一般的なブラックスーツとは異なるので間違えないようにしましょう。

略喪服

略喪服は、喪主側から「平服」を指定された場合に着用します。具体的には、男性の場合は黒や濃紺、グレーなどのダークスーツが基本となります。

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男性のお通夜での服装

お通夜は基本的に平服、つまり仕事用のスーツで出席します。喪服を着て行くのは、不幸を予想していたようでかえって失礼に当たるという考えもあるためです。色は濃紺やダークグレーなどのダークスーツにします。ネクタイは黒か地味な色と柄を選ぶようにしましょう。
ただ、同じお通夜でも、事情があって亡くなって数日後に行われている場合には、「とりあえずまず駆けつける」という意味合いが薄くなるため、喪服で参列するのもマナー違反にならないでしょう。

男性のお葬式(葬儀・告別式)での服装と選び方

お葬式ではどのような服装がふさわしいのでしょうか。スーツだけではなく、アクセサリーの選び方などにも細かいマナーがあります。以下、お葬式に行くときの男性の服装について、注意したいポイントを中心に説明します。この機会にしっかり覚えておきましょう。

喪服の種類

お葬式では基本的に準喪服を着用します。上述したように男性の場合はブラックスーツが準礼服にあたります。ボタンはダブルでもシングルでも問題ありません。ただし、仮に喪主や遺族がツーピースの準礼服の場合、参列者がスリーピースを着ると格上の服装になってしまうため気を付けましょう。

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アクセサリーは結婚指輪のみ

男性の場合、アクセサリーは基本的にすべて外すのがマナーですが、結婚指輪は着けたまま参列できます。腕時計も装着していて問題ありませんが、派手なものは避け、シンプルなデザインのものにしましょう。色はシルバーなどの目立たないもので、文字盤はできれば白か黒が良いでしょう。

そして、お葬式に出席する際の服装で意外と忘れてしまいがちなのが、メガネのデザインです。お葬式にかけていくメガネには決まりはありませんが、お悔やみの場ですから遺族や他の参列者への配慮をするのが大人のマナーと言えるでしょう。可能であれば、色付きのレンズはもちろん、フレームの色は黒、紺色など落ち着いたものを選ぶのが理想的です。

また、フレームが極端に太いものや、丸メガネなど奇抜なデザインのものは、例え色が落ち着いたものであっても悪目立ちしてしまうことも。社会人になると冠婚葬祭などさまざまな場面に出席する機会が増えますので、普段使いするメガネとは別に一本シンプルなものを用意しておくのもおすすめです。

革製品はできるだけ身に着けない

殺生を想起させるため、革製品もできるだけ身に着けないようにしてください。同じ革製品でもベルトと靴は問題ありませんが、それでもクロコダイルなど明らかに動物の革とわかるものはNGです。

ワイシャツの選び方


お葬式では、ワイシャツは必ず白の無地を選んでください。ただし、全体が白だとしても、織り柄入りやカラーステッチなどの装飾的なデザイン入りのワイシャツは避けるようにしましょう。襟はレギュラーカラーかワイドカラーを選びます。ビジネスシーンで薄いブルーやストライプが入ったデザイン、襟が180度まで開いたホリゾンタルワイドカラーなどを着る人が増えていますが、弔事用の準喪服(ブラックスーツ)ではいずれも避けるべきです。

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ネクタイの選び方


準礼服で着用するネクタイは無地の黒と決まっています。弔事用の漆黒のネクタイを締めてください。ネクタイピンを付けるのも控えた方がよいでしょう。ネクタイはすぐに目につくところなのでとくに気をつけましょう。

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靴とベルト・靴下の選び方


靴は冠婚葬祭の全シーンで活躍する黒の内羽根式ストレートチップのデザインがおすすめです。また、ベルトと靴を黒で統一します。素材はプレーンなレザーで、バックルはシンプルなデザインのシルバーを選びましょう。靴下も黒を選ぶのが一般的です。紺やグレーも厳密にはマナー違反となります。お葬式では靴を脱ぐ機会も少なくないので要注意です。

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コートの選び方


冬場などでコートが必要なときは、こちらも無地の黒や紺を着用しましょう。デザインもできるだけシンプルなものを選んでください。おすすめはチェスターフィールドやステンカラーデザインのコートです。また、革や毛皮素材などの殺生を連想させるものはマナー違反です。フェイクファーも毛皮と誤解される可能性がありますので、避けた方が無難でしょう。

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その他に必要な小物

お葬式に参列する際には、喪服、靴、バッグなど以外にも準備すべきものが細々とあります。突然そのような機会が訪れても慌てることがないように、あらかじめ準備をしておくのがおすすめです。

ハンカチ

白や黒、グレーなどのシンプルな無地のものを用意しましょう。柄物や派手なデザインのものはマナー違反となります。ポケットなどさっと取り出せる場所に入れておくと良いでしょう。

数珠

数珠は宗派によってもさまざまな種類がありますが、幅広い宗派に対応できるものを準備しておくと安心でしょう。基本的には仏教式でしか使わないもので、キリスト教式のお葬式の場合には用意をする必要はありません。

数珠を使うのは一般的にお焼香の時ですので、自分の順番が来て慌てることがないように、すぐに取り出すことができるポケットなどにしまっておくと良いでしょう。

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雨の日の葬儀で意外と盲点となるのが傘です。こちらは明確な決まりはないものの、お葬式では基本的に黒で統一することがマナーとされていますので、傘も黒で無地ものがベストでしょう。

黒い傘がない場合には、紺色やグレー、深緑などのダークカラーであればマナー違反となることはないでしょう。柄物の傘や派手な装飾の付いたものしか持っていないという場合には、今後のためにも1本黒色の傘を用意しておくことをおすすめします。

失敗しない! 喪服のコーディネート ~準喪服編~


喪服に白無地のワイドカラーシャツに弔事用フォーマルネクタイを合わせます。また、ディンプルなしでネクタイを結びましょう。

足元は黒の内羽根ストレートチップ。裾はシングル仕上げがマストです。

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特にお葬式のための喪服は法事などにも使えるものなので、ネクタイ、靴、バッグなどと合わせて一式を揃えておけば慌てなくてすみます。また、冬用にコートも黒いものが必要となるでしょう。故人への礼の心を忘れず、マナーに適ったものを身につけることをおすすめします。

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