BIZSPO INTERVIEW BORDERLESS

インタビュー

05
case

人生を
より豊かに導く
顧客に寄り添う
仕事とは

2026.5.15

植田 剛将

TAKAMASA UEDA

PROFILE

植田 剛将

IFA Leading ウェルスマネジメント

90年奈良県生まれ。学生時代は野球を経験し、大学は体育会系ゴルフ部に所属。立教大学を卒業後、大手証券会社に就職、営業として10年勤務。アドバイザー4,000人の中でTOP5入りを3期連続で達成する。長期的にお客様の資産運用をサポートすることに魅力を感じ、同期だった仲間とともに、IFA Leadingを創業し、独立する。趣味はゴルフ。年間約50ラウンド、ベストは72。

未知からスタートした証券会社
という世界

「大学生時代、正直なところ、証券会社の仕事が何かも全然わかっていなかったし、こだわりもなかった。大学ゴルフ部時代、先輩たちには厳しい言葉をかけられることもあり、それが悔しくて就活塾へ。そこで、“就活は結局お見合い”と知り、私の場合は営業に特化した証券会社などを勧められ、その会社すべてを申し込みました。

とにかく自分を変えたかった。きつい会社に入れば、自分は成長できるんじゃないか、そして変われるんじゃないかと思っていました。野球でもゴルフ部でも、成果が出せなかった自分がいて、自己肯定感も低かった。『見返したい』『変わりたい』という気持ちが強かったですね。

受かった中で一番きつそうな証券会社を選び、入社することに。予想通り、かなりきつい会社でしたけど、同時にすごく面白かったんです。内定者の集まりの時点で、高学歴で期待されて入社したであろう同期たちがいて、研修が終わるとすぐに飛び込み営業が始まりました。配属されたのは、神奈川県で営業員が5人くらいの小さな営業所。

辛い場面もありましたが、1年目の目標だった“口座開設100件、資金導入5億円”を達成し、同期の間では上位の成績でした。次の研修の時には、同期たちが辞めている。自分でもやれる!という達成感が得られたことが大きな自信に繋がり、自分のモチベーションになりました。営業が向いていたというより、若さと勢いで、とにかく自分なりの全力で仕事に取り組んでいました。

当時を振り返ると、本当に素敵なお客様ばかりに恵まれました。汗まみれで、スーツに塩を吹かせた新入社員が飛び込み訪問でやってきて家に入れていただける。そして、話を聞いてくださり、口座開設して提案した商品を買ってくださる。今思うと、会社の看板があったにせよ、本当に有難いことだなと。その後、営業所が母店である横浜支店に吸収され、そこから私の変革期が始まりました」

証券という派手な世界にいる堕落した自分との決別

「横浜支店では、毎晩遅くまで飲むことも多く、気づいたら生活環境が乱れていて、高価な買い物をしたり、高額な取引を重ねる中で、おかしな金銭感覚や時間の使い方に未熟な部分がありました。4年後、愛知県の豊田支店に異動になり、付き合っていた彼女と交際4か月で結婚。何の取り柄もない、仕事もプライベートもグダグダだった私のプロポーズに即答してくれて、これを機会に仕事を本気で頑張ろう!と決意し、妻のためにも変わらなければいけないと思いました。

心を入れ替えて、また1から全力で仕事をしました。その結果、お客様に大変恵まれたこともあり、社内の表彰制度で、4,000人の中の上位5位入りを3期連続で達成しました。ただ、今振り返ると、表彰や成果を出すことに執着していて、表彰されることが目的になっていたのかもしれません。当時、子供はいませんでしたが、自分の子供が生まれて大きくなった時に、パパの仕事は何?と聞かれて“証券マンだよ”と誇れるだろうか…と疑問に思いました。当時、自分の成果に執着し、お客様の資産を守ることの大切さを忘れている自分がいることに気が付きました。次の転勤では、たまたま海外の金融機関がお客様にどのようなサービスを提供しているのかを研究するシンクタンクに配属になりシンガポール駐在になりました。

そこでアジアや欧州、米国の金融機関の動向を勉強して、特に米国のRIA(Registered Investment Adviser)、日本でいうIFA(Independent Financial Advisor)は、日本のFA(ファイナンシャルアドバイザー)とは違ったスタイルでお客様にサービス提供していることに驚きました。米国のRIAは、お客様の話をお聞きし、お客様のことを理解した上で、お客様に合った提案をする、セールスというよりアドバイザーでした。

たとえば、お客様がバンカーと面談している場にRIAが同席し、お客様の家族構成や価値観、将来設計まで理解した上で、提案内容やリスクについて一緒に整理している。その姿を見て、「これだ」と思いました。私も、こういう存在になりたいと強く感じました。

それまでの私は、株式相場の見通しをベースに、「こちらを買った方がいい」「今がこちらを買うチャンスです」といった伝統的な商品提案を中心に行っていました。お客様のご意向を伺っていなかったわけではありませんが、今振り返ると、商品やマーケットありきの提案になっていた部分もあったと思います。

一方でRIAは、まず“なぜ資産運用をするのか”を考える。お客様ごとに、求めるリターンも、リスク許容度も、投資期間も目的も違う。その前提に立って、一人ひとりに合った提案を行っていることに大きな価値を感じました。

マーケットを読むことももちろん大切ですが、それ以上に目の前のお客様を理解し、お客様の資産運用の目的に紐づいた提案を行うことが、本当に重要なのだと考えるようになりました」

フェアな最適解と感じたIFAとの
出会いと独立

「当時、私がお客様からいただく手数料の大半は、株などの商品を購入・売却ごとに発生する売買手数料でした。

一方米国のRIAでは、売買ごとの手数料は全体のわずかで、90%以上のRIAが預かり資産に対して一定のフィーをいただく方法(アドバイザリーフィー、売買手数料はなし)が一般的であることを知りました。お客様の資産が増えれば、自分たちの売上も増える。顧客の資産が減れば、自分たちの売上も下がる。つまり、お客様と同じベクトルを向いてお客様をサポートすることができる。

取引のたびに手数料が発生する形だと、お客様も面談のたびに身構えてしまうことがあるかもしれません。アドバイザリーフィーであれば、人生設計の変化にも柔軟に対応しながら、継続的に伴走していくことに価値が生まれる。これだ!と思いました。アドバイザリーフィーが日本での最適解かどうかは分かりませんが、この資産運用アドバイスをやってみたいと思いました。

しかし、自分一人で会社を始める勇気はなく、お金もないし子供も生まれたばかり。そんなできない言い訳ばかりを考えていた時に、いち早くIFAとして独立していた同期の長谷川が、アドバイザリーフィーのIFA会社を新しくやろうと声をかけてくれて、5人の仲間と一緒に共同創業することになりました。

しかし当然、家族は私の判断に慎重になります。でも、今ここでスタートを切らなかったら、死ぬ前に後悔するだろうなと思い、3年で結果が出なかったら家族のためにやめる、でも絶対に成功すると約束し、新しい会社でスタートを切ることになりました。当時から今に至るまで、私の仕事に全力で応援してくれている妻に感謝しています。

会社をスタートしてから4年間、辛かったことも楽しかったもたくさんありましたが、長谷川を筆頭にみんなで必死に頑張りました。最初のオフィスは五反田の小さなオフィスから6人で始まり、今は25名。仲介する預かり資産は1,000億円になり、日々成長を感じています。

サービスに満足していただいたお客様が別のお客様をご紹介してくださることに、本当に嬉しくやりがいを感じています」

ゴルフは関係値を近くする
コミュニケーショーンツール

「小学校から高校まで野球をしていましたが、成果はイマイチでした。大学は地元の奈良を離れ東京に行くこともあり、ちょっと違うことをやってみたいなと思い、大学ではゴルフ部に入部しました。気持ちよくボールが飛んでいったりいかなかったり、ゴルフは面白い、自分に合ったスポーツかもしれないと思いました。また、お金持ちでカッコいい先輩方への憧れも、入部のきっかけでした。

今もゴルフは好きです。基本的にはお客様と一緒に行くことが多いです。せっかくお客様とゴルフにご一緒できるので、たくさんお話しできるように、できるだけ曲げないように打つようにしています。ただ、そんなうまくいかず、曲がってばかりです。

今日着たセットアップは、ストレッチがあり動きやすくて、高見えするのが素敵です。まさに僕の仕事ゴルフに最適です。服選びに時間をかけるタイプではなく、黒、紺、白しか着ないミニマル派。服で自己表現しなくていい。でもこだわりもあって、シャツは年1回交換し、パンツは裾ダブルのセンタープレスが好きなので、この服は理想的。仕事のスイッチをオンにするために、必ずスーツを着ますね。オリヒカはサイズ感がよく、コスパもよいので5着買って着まわしています」

将来の人生設計に欠かせない
毎朝のルーティン

「証券会社時代も独立したいまも、朝の時間を有効に活用します。家族が寝静まっている朝の静かな時間が好きで、誰にも邪魔されない時間に決まった自分のルーティンをやります。ルーティンはチェックリストで管理していて、それを埋めていくのが毎日の習慣です。

朝の整え方で、一日のスタートが変わる、自分にとっての大切な時間です」

過剰に期待せず熱くいることで
人生が面白くなる

「今後挑戦したいことは、日本で一番の預かり資産を持つIFAチームを作ることです。今の会社で、自分の最高のチームを作りたい。長谷川にはこの会社に誘ってくれた恩があるので、ずっと貢献したいと思っています。

米国で活躍するアドバイザーはみんなチームで動いていてすごく楽しそう。私もそんなチームを作りたいと思っています。

私なりの人生を楽しむヒントは、コントロールできないことをコントロールしようとしないこと。自分でコントロールできることに集中する。例えば人の気持ちは変えられないので、変な期待はしないこと。常に自責であること。ただ、人を変えることはできないですが、人は変わることができるので、こちらからのメッセージは相手のためになることを伝え続けること、だと思います。

そして物事は、解釈次第。仕事はつまらないと思えばつまらないし、面白いと思えば面白い。結局どう捉えるかでいくらでも人生が変わるので、自分の解釈を大事にしていたい。と、最近始めた能力開発の研修で学びました。

それが人生を楽しむコツかなと思い、5歳の息子に、偉そうに話しています」

撮影/竹田翔

取材・文/濱口眞夕子(SEASTARS Inc.)

撮影協力/スイング碑文谷

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