BIZSPO INTERVIEW BORDERLESS

インタビュー

02
case

ロジックと感性、
右脳と左脳の
シームレス

2025.12.8

久保 秀和

HIDEKAZU KUBO

PROFILE

久保秀和

79年山口県生まれ。九州芸術工科大学・大学院卒業後、大手通信キャリア企業に入社。主にB2B事業の企画・マーケティング・営業に従事。その後、DX・内製化支援に関する企業でのアカウントセールスを経て、デジタルバンクへ転職。銀行の機能を外部の企業に提供する、BaaS(バンキングアズアサービス)事業などに関わり、現在に至る。

二拠点勤務で挑む
銀行の新しいカタチ

紙も店舗も持たないすべてスマホ完結の日本初デジタルバンクにて、BaaS(Banking as service)という、銀行機能をパートナー企業に提供するアライアンス推進を担当しております。まだ国内での活用事例は多くはないのですが、大手企業様を中心に拡大している実感があります。パートナー企業様の顧客に対して、銀行機能を活用して、金融サービスを一緒に生み出すことができます。

昨今、銀行の窓口がどんどん減ってきている状況で、そもそもみなさん窓口に行こうとすることも、そんなにない。今後デジタル化が進むと、銀行のあり方が変わってきます。ネット銀行とか、他業種が金融事業に参入してくるので、銀行としての存在感がどんどん薄れていくという危機感があると思います。その中で、自分たちでデジタルバンクというものを作って、このデジタルの時代にあった銀行を作ろうと、銀行のシステムもゼロから作り上げていきました。通常大手金融ベンダーのシステムを使っており、堅牢な巨大なシステムになっているので、あまり今のスマホでサクサクとサービスを使うみたいなのには向いていない。このデジタル時代って、UX(顧客体験)がよくないと使われないから、自分たちで今の時代に合うような仕組みで、システムを作り上げていって、銀行サービスを提供するという形で開発しています。

1つの例が、ネットサービスなどで銀行口座を連携するのって登録作業が多くて、わかりづらくて時間がかかりますよね。そういう煩わしさを取っ払って、我々の仕組みだと、面倒な登録は一切なく2タップで連携が簡単に完了します。スピーディーなフリクションのない繋がりを実現しています。

本社が福岡なので、東京と福岡の2拠点を行ったり来たりし、東京3週間、福岡1週間で勤務する生活をしています。福岡でのビジネスは外から得られる情報や出会いも限定的になるので、やはりビジネスで考えるとグローバルな東京が面白く感じます。地方という境界線がないから気にせずに働けるし、フレキシブルさがある。自分の強みを活かして世の中への貢献ができる環境です。金融は多くの事業で必要なものなので、様々な業態の企業と話しをすることができ、新たな発見や知識、経験を得ることができる仕事だと思います。

通信会社から金融業界へ
転職で見えた天職への道

前職のアプリ関連会社にいたときに、現・会社の頭取に営業をしに行ったのですが、普通に売り込むのもなかなか難しいので、ギブファーストで人脈の紹介や何かできないかなと考えました。BaaSを今後取り入れていきたいとのことだったので、話をしているうちに、すごく面白そうだし興味があり、自分がBaaS事業に関わって世の中に広げていきたいとの思いから相談し、数か月後に転職することに。いまは自分がやりたい仕事をさせてもらっているので、やりがいもあるし、充実しています。

例えばキャッシュレスが広がり、便利になっておりますが、その反面手数料が増えて企業負担になっています。手数料の中には複数企業の利益が含まれているので、どうしても手数料は高くなります。銀行が直接お金を動かすと中間会社が必要ないので、その分コストを下げることができる。そのコストをマーケ費用として自社顧客に還元することが出来ます。お金に関する課題は多くあるので、それをデジタルバンクが行うことで解決できることはあると思っております。

一社目は世界最先端の企業だったから、情報の取り方は、そこにいるだけで情報や提案などが勝手に入ってきた。常に新しい情報にアップデートできたんです。ここから発信されるな、という発信源が体感でわかったので、感覚的に察知できた。いまでもその時の感覚が、ベースになっています。無理に情報を得ようとする感覚はないですね。最近ではChatGPTを活用してみたり、新しいテクノロジーやガジェットが大好きなので、調べることが習慣化しています。新しいことなどは、まず体験、体感してみないとわからないですからね…。

出身大学は、技術と芸術の両面が理解できる人材を育てることをコンセプトにしており、自身の考えに深く影響しております。技術者とデザイナーの橋渡しをするディレクター的人材を育てる大学だったので、幅広い職種の人の理解し、各々を繋ぐことに関しては自身の強みになっていると思います。そういう意味で、現在も企業同士のアライアンスが業務なので、パートナー企業の話を聞き、解像度を上げて、繋がることによってどのような価値が生まれるのかという思考が、今の業務にとてもマッチしていると思います。思考のベースは右脳で論理的思考というよりは直観を大切にしています。ただ、他者に伝える場合は、論理的思考を心掛けています。

自転車やクリエイティブに
没頭することがいい息抜きに

心と体の健康が大切なので、福岡では10km弱を自転車通勤しています。オフの日は、自然に触れることで、ストレス発散に。体を動かすと脳や心もすっきりいい影響を与えるので、先日は小田原まで長距離自転車で走ってきました。乗っているときは仕事のことは考えずに、頭を空っぽにして。愛用している自転車が折り畳みの「ブロンプトン」なので、帰りは新幹線。緩く楽しんでいます(笑)。基本的にはオンオフの切り替えは意識しておらず、仕事も生活の一部として捉えています。急にアイディアが浮かんだときは、ちょっと仕事やリサーチをしたりすることも。

昔は、仕事は仕事とオンオフをきっちり分けていましたが、最近はライフタイムの中で混ざってしまっています。勤務体系がユニークなアプリ関連会社に勤めていた時、有休は取り放題、お給料は自分たちで決めたり、全員CEOの権限があったりと、とても自由な完全フルリモートの会社だったので、そこで感覚がガラッと変わりました。趣味の動画編集など、クリエイティブなことに没頭する時間も大切。大学では画像設計学科を専攻していたので、いま役立っています。企業紹介ムービーを作成するにあたり、その企業の考えや思いが理解できるので、映像もコミュニケーションの一環です。何事にも知りたい欲求が強いみたいで…。様々な背景や全般を知ることが参考になり、自分と違う意見や環境に触れることが成長に繋がるので、コミュニケーションになるゴルフにも似ているかもしれませんね。

今は企業というボーダーの中で仕事をしておりますが、そのボーダーがなくなった存在になったときに、どのような存在価値になるか、自分自身に挑戦してみたい。自身の安心圏を作るためにボーダーを引いて仕事・生活をされる人が大半かなと思いますが、ボーダーを伸ばしてみると新たな視点を得ることができると思っています。変化を楽しみと捉えられると、人生を楽しめるのではないかと感じます。

10年のブランクを経て
ゴルフ欲が再燃

ゴルフを始めたきっかけは、一社目に就職した大分支店勤務のとき、ゴルフをする人が多くて始めました。そこから10年くらいブランクがあって、最近ゴルフ好きの専務に影響されてゴルフを再開。40代になってゴルフの楽しみが分かってきて、ハマってしまいました。仕事でもゴルフが必要な環境や歳になってきたので、今後さらにゴルフが増えそうな感覚です。

ベストは97で、2か月に一回くらいラウンドを楽しんでいます。レッスンに通うなど、それなりにゴルフ好きな人と一緒にまわれるくらいのレベルまでにはなっておきたいなと思っています。ゴルフの楽しみって、スコアメイクできたり、打っていい当たりがでたり、思い通りのショットができたときに、やっぱりすごく快感で。いいゴルフをしたいなという欲求が出てきました。ラウンドをすると、その人の性格が分かる。外見に反してゴルフでは几帳面でちゃんとしていて、中身が違うギャップなど、ゴルフを通してわかるのも面白いところだなと思います。人を知ることができるスポーツってなかなかないですよね。

好きなことを一緒に取り組むことで、ビジネスで知り合っただけじゃわからないことが、ゴルフで見えてきて、ぐっと距離が縮まり、一気に人間関係を近づけてくれるものになる。そういう意味で、自分的には“コミュニケーションスポーツ”と思っています。

仕事もオフもゴルフも
ボーダーレスな服が理想

オンオフ同じような服ばかりを着ています。機能的な服が増えたから、そればかり着てしまいます。しわになりにくいから、いつもキレイに着こなせるのでありがたい。ゴルフウェアも機能的でシンプルなものが好きですね。今日着た服は、なんの違和感もなくスイングできたので、とてもストレスフリーで快適。普段はちょっと太めのラインやシルエットを着るので、革靴はここ何年も履いていないですね。スニーカーに合うような感じのジャケットスタイルが好きなので、ソールがスニーカーのレザーのシューズを合わせたりしてもよさそうですね。

さすがの紳士服ライクなかっちりめの作りなので、きちんとした服が求められるビジネスシーンに、ぴったりですよね。僕もスーツが必要だった30代の頃、「オリヒカ」はよく買って着ていました。あの頃と違って、素材もすごく進化しているし温暖化や環境に合う機能的なアイテムの登場は、ビジネスマンにとってうれしい限りです。ゴルフウェアが禁止の会社も多いので、これならロゴもないし、シルエットもキレイなので、ゴルフでもオフィスでも堂々と着られる。まさにオフィスカジュアル化に合っていていいですね。僕たち世代に向けて、高級ラインがあったら、それもよさそうだなと思います。

撮影/伏見大祐、竹田翔

取材・文/濱口眞夕子(SEASTARS Inc.)

すべてのインタビューを見る