季節によるスーツの違い! 春夏用・秋冬用のスーツの違いについて

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季節によるスーツの違い! 春夏用・秋冬用のスーツの違いについて

「夏用スーツと冬用スーツの違いってちょっと分かりづらいな……」と感じる方は多いはず。季節に合ったスーツを着用しないと、相手に悪い印象を与えてしまうことも。ここでは春夏用スーツと秋冬用スーツの違いについてと、シーズンに合わせて正しくスーツを着るためのコツを紹介します。

  1. スーツには春夏用、秋冬用、オールシーズンの3種類がある
  2. 春夏用スーツと秋冬用スーツの違いとは
  3. 春夏用のスーツと秋冬スーツを見分けるときのキーワード
  4. 春夏スーツのおすすめコーディネート
  5. 秋冬スーツのおすすめコーディネート

スーツには春夏用、秋冬用、オールシーズンの3種類がある


一般的に、スーツには春夏用(夏物)と秋冬用(冬物)、そしてオールシーズンといったように、季節ごとに種類が分かれています。

そうなると、「オールシーズンのスーツだけあれば良いのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、オールシーズンのスーツは、冬は冬用スーツを着るより寒く、夏には夏用スーツを着るより暑くなってしまう傾向がどうしてもあります。

デスクワークなどインドアの仕事が多い人であれば、オールシーズンのスーツだけで一年中過ごすことも可能かもしれません。

しかし、営業職のようにスーツを着て外に出る機会が多い場合には、夏用と冬用を使い分けたほうが快適に過ごすことができるでしょう。また、最近はクールビズの浸透により夏だけはスーツを着ないという方も増えてきています。

ORIHICAでは盛夏を除いた10ヶ月間の着用が可能な「10month」スーツも展開しております。クールビズがメインになる盛夏以外を快適に過ごすことを目的とした、程よく厚みのある生地を採用しています。

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春夏用スーツと秋冬用スーツの違いとは

春夏用スーツと秋冬用スーツはどんなところが違うのでしょうか。生地、裏地、色の3点について、それぞれの特徴と違いを見ていきましょう。

春夏用スーツと秋冬用スーツの違い ~生地編~


夏用スーツと冬用スーツの違いは、まず生地の違いにあります。一般的に夏用スーツの生地は薄く、織り方は粗く、軽いものが使用され、冬用スーツは生地が厚く、織り方はきめ細かく、重いものが使われます。

素材は、夏用では通気性に優れたサマーウールが代表的です。涼しく着られるように工夫された生地で、ウール以外ではリネン(麻の一種)やモヘア(アンゴラ山羊の毛)も夏向きの素材です。ただし、リネンはカジュアルなイメージが強くシワになりやすい素材なので、ビジネス用ならウールとの混紡を選ぶのがおすすめです。モヘアは触るとひんやりとした素材で夏にもぴったりです。
また、生地の織り方の種類として、トロピカルとも呼ばれる『平織り』の生地は、通気性が高く、軽いので夏におすすめです。対照的に、密度が高く、厚みの出る織り方の代表としては『綾織り(ツイル)』や『朱子織り』があります。

冬用の素材ではやはりウール(羊毛)が主流です。シックに決めることができるのはツイードで、やや粗い感触があり、防寒着として使われることが多い素材です。
秋冬の代表的な生地として、しばしば耳にする『ミルド』というのは加工の一種で、生地を専用の機械で引っ掻くことで毛羽立たせる工程のことです。それによって空気をたっぷりと含む生地ができ、外気の影響を受けにくくすることで内部を温かく保ちます。

春夏用のスーツと秋冬用スーツの違い ~裏地編~

本来、スーツは季節を問わず「総裏」が基本です。
現在では、夏は背抜き・冬は総裏といったイメージが浸透し、季節・気温によって区別するという認識の方も多いのではないでしょうか。
そもそも裏地は、

  1. 湿気や汚れ、痛みから表地を守る
  2. 着る時や動く時の摩擦を軽減し、滑りを良くする

ために付けられているもので、気温や季節とは別の役割を果たしています。

とはいえ、日本の気候は欧米よりも四季による寒暖差が激しく、特に夏は気温・湿度も高いために、通気性が良く、見た目にも涼しげな背抜き仕様が「春夏向け」と認識されるようになりました。
そんな背景があり、現在では量販店などに並ぶスーツでも、夏用では背中部分の裏地を省いた「背抜き」が主流です。

また、最近では長期間着用ができるように、冬用やオールシーズンのスーツでも「背抜き」になっているものもあります。
以上を踏まえると、おおまかな分類としては

  • 『総裏』:主に秋冬物で採用される仕様
  • 『背抜き』:季節問わず採用される仕様

といったイメージで、ひとつの判断材料として活用できます。

春夏用のスーツと秋冬用スーツの違い ~色編~


春夏用と秋冬用では、スーツの色味もやや異なります。ネイビーやグレーなど同じ色であっても、春夏用の方が少し薄い色が使われる傾向にあります。

春夏用スーツでは薄い紺、薄いグレー、薄いブルーグレー、ベージュといった色が中心となります。一方、秋冬用スーツではネイビー、濃いグレー、ダークブラウンなどの色が多くなります。

ただし、ビジネススーツはダークカラーが基本なので、業界や会社によってはあまり明るい色だとカジュアル色が強くなって使いづらいという面もあるでしょう。そのため春夏用スーツでも濃紺、濃いグレーのスーツも選択肢として用意されています。

春夏用のスーツと秋冬スーツを見分けるときのキーワード

春夏用のスーツを見つけるためのキーワードとしては、以下のものを挙げることができます。見た目だけでは区別しづらいという場合の参考にもなるでしょう。

【素材】サマーウール、リネン(麻)、モヘア、コットン、など。
【生地】トロピカル(平織り)、シアサッカー、ホップサック、など。

また、秋冬のスーツを見つけるためのキーワードとしては以下があります。

【素材】ウール(羊毛)、カシミヤ、アンゴラ、など。
【生地】ツイル(綾織り)、ミルド、コーデュロイ、フランネル、ツイード、など。

これらを参考にしてスーツを見るようにすると、春夏用なのか秋冬用なのかを見分けられるようになるはずです。スーツを購入する際には、ぜひ素材表示タグなどを見て確認してみてください。

春夏スーツのおすすめコーディネート

春夏用スーツを着こなすなら、見た目を涼しげにまとめるのがポイントです。全体の印象が重たくなりすぎないように、ブルーやベージュ、ピンクなどの淡い色味のアイテムを使うと手軽に季節感を出すことができます。また、色以外では「素材」で季節感を表現する方法もあります。ネクタイはニットタイ、フレスコタイ、リネン混タイなどを使って素材に一工夫したり、シャツをリネンシャツにすると、見た目にも着心地にも涼やかな着こなしができます。

では、具体的な春夏用のコーディネートをご紹介します。

春夏編:定番の紺スーツを涼しげに着こなす


年間を通して定番である濃紺のスーツのコーディネートです。春夏スーツらしく、清潔感のある白のワイシャツと、コットン素材の軽やかなネクタイを合わせることで季節感を表現。春夏用の紺スーツはどんなビジネスシーンにも対応できるので、一着は持っておきたいアイテムです。

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春夏編:ライトグレーのスーツに柄アイテムをプラス


ライトグレーのスーツ、シャツ、ネクタイにそれぞれ異なる柄を使ってVゾーンを演出した、ちょっと上級者向けのコーディネート。シューズもブラウン系を選び、軽やかでありながら知的な印象のライトグレースーツをおしゃれに着こなすスタイリングにしました。

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春夏編:ベージュのスーツを上品に着こなす


茶系のスーツは秋冬のイメージがありますが、淡いベージュを選べば春夏向けのコーディネートが楽しめます。全体を淡いトーンで合わせて、柔らかで涼しげな春の装いに。大人の雰囲気の上品な着こなしが楽しめます。

春夏編:定番より少し明るい紺スーツ


春夏用に「とりあえず」の一着を用意するなら、やや明るい紺スーツがおすすめです。どんなアイテムでも合わせやすい汎用性があり、爽やかで誠実な印象を与えます。ここではブルー系のワイシャツに、淡いトーンのネクタイをコーディネートしました。

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秋冬スーツのおすすめコーディネート

秋冬用スーツにはウールタイやハイゲージニットが似合います。ネイビーのスーツにブラウンのネクタイ、グレーのスーツにワインカラーのネクタイといった定番の組み合わせを意識しつつ、素材のチョイスで温かみを加えてみましょう。また、ニットの代わりとして、ベスト付きのスリーピーススーツも秋冬におすすめです。防寒としての機能はもちろん、ニットを合わせるよりもかっちりした印象になります。

さらに気温の下がる冬はコートやマフラーもアイテムに加わります。
コートやマフラーの防寒衣料も、スーツやシューズとの調和を考え、カジュアルになりすぎないようにシンプルでスマートなタイプを選ぶことがポイントです。

では、秋冬用のコーディネートも見てみましょう。

秋冬編:定番のダークネイビースーツに一工夫


秋冬のコーディネートは暗くさびしい印象になりがちですが、一工夫を加えることでこなれた印象に。ここではクラシックなタブカラーシャツに、柄のはっきりしたネクタイを合わせました。Vゾーンを中心に立体感が生まれ、さり気なくおしゃれなスタイルが完成します。

秋冬編:ミルドのスーツをシンプルに着こなす


ミルドと呼ばれる起毛加工が施された秋冬素材のスーツ。独特の温もり感があり、スリーピースを選ぶことで穏和で知的な印象を与えます。秋を想起させる茶色のネクタイとシューズでシンプルに合わせた、素材の味を活かしたスタイルです。

秋冬編:ミルドをウォームビズスタイルで


同じくミルドのグレースーツに、ニットを合わせたウォームビズスタイル。温もりのあるスーツの素材感に、ニットは相性抜群。スエードのシューズも同様に温もりある印象で、秋冬に人気の組み合わせです。

秋冬編:コーデュロイスーツをカジュアルMIXで


ややカジュアルな印象のあるコーデュロイ素材は、独特のおしゃれ感があり、保温性も抜群。合わせるアイテムはボタンダウンシャツに、カラフルなニットタイで同じくカジュアル要素を添えました。冬にしか楽しめない素材を思い切り楽しんでみてください。

スーツは、夏用と冬用をしっかり「着分ける」ようにすれば、それぞれシーズンに合わせた機能的な着こなしができるようになりますし、ワンランク上のおしゃれも楽しめるでしょう。一年を通して快適なビジネスライフを過ごすためにも、上手に季節に合わせたスーツを活用してみてはいかがでしょうか。

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