BIZSPO INTERVIEW BORDERLESS

インタビュー

01
case

野球を原点に、
仕事もゴルフも
全力で。

2025.11.04

高橋 隼之介

JUNNOSUKE TAKAHASHI

PROFILE

高橋隼之介

92年新潟県生まれ。小学2年生で野球を始め、中学では硬式野球・柏崎シニアにて投手、遊撃手として全国大会へ4度出場(ベスト16)。日本文理高校へ進学し、2009年春夏連続、甲子園出場。夏の甲子園では、名勝負の末に準優勝を経験。明治大学在学中は、4年生時に主将を務め、リーグ優勝4回経験。現在は広告代理店勤務。大阪へ転勤し、「大阪バンバータ」に所属。21年高松宮賜杯にて全国制覇を経験。軟式野球を探求中。

人間力を鍛えてくれた
野球という原点

野球なくして、僕の人生は語れないです。学生時代に戦った戦友は今もかけがえのない友になり、話をするとあの時の「無我夢中に挑戦する」気持ちを思い出させてくれます。

野球をしたきっかけは、保育園生の時に僕が悪ガキすぎて、父親が危機感を覚えて(笑)。厳しい監督がいる野球チームに入れられたのが、野球人生のスタートでした。野球を始めたらやっぱり投げたい気持ちがどんどん強まって、いつしか野球少年になっていました。出身が新潟なので、野球以外は、夏は海でライフセーリングや水泳、冬はアイスホッケーやスキーなど、たくさんのスポーツを経験できて体の動きを知ったからこそ、その後の野球に活きたと思います。ゴルフは小4とかで父とコースに出るなど、環境には恵まれていました。当時ゴルフをする友人はいなかったので、仲間と時間を一緒に過ごせる野球を選んで、本格的に続けることに。

大学での野球人生は、決して順風満帆だったっていうわけではなく、結果はいいですけど、楽にいったことは全くなくて。新潟時代の中学生から選ばれ、全国を目指していたときから、自分が道を切り開いていく「パイオニア」になりたいっていう精神があった。実行していく上で、自分がまずちゃんとやらなきゃいけない。自分が出来てないのに、人に指示を出せないみたいな感覚はありました。いつしか「勝つ集団」で必要なことがわかってきて、おかげでキャプンテンを任されたのかもしれません。

野球はチームスポーツで、一つでも歯車が狂うと、どんな強い戦力でも足元を救われるスポーツ。明治大学では全国からトップクラスの選手が集まる環境で、その中で「勝つ集団」を求めた経験は、現在に大きく活かされていると思っています。社会に出ても、結局一緒で。仕事って1人でやることではないので、いまも目指していることは一緒だと思います。組織っていうものの中に、自分の存在の価値を見出していく、見つけ出してくるというのは、野球じゃなくともどの世界でも一緒かなと思います。

野球やスポーツと違う形で
関わる広告代理店という
フィールドへ

将来プロとして野球を続ける気持ちで、アマチュアの最高峰である明治大学野球部の門を叩きましたが、新潟県出身でキャプテンをしたのは僕が初。両親をはじめみんなが応援してくれましたし、地元を背負って、自分がどこまで競技者として続けられるかっていう思いや目標は常にありました。明治大学野球部からは2010年から2025年(今年のドラフト)まで16年連続でドラフト指名されるほど、プロ野球選手輩出軍団の大学チームだったので、当然レギュラーでもその争いはとても厳しかった。最終、僕は背番号10番をつけてキャプテンだったのですが、二番手というポジションで…。

ドラフトの前に、自分が野球界のことでマスコミや情報の最前線に立った時に、世界中に野球を始めとしたスポーツの魅力を発信していきたいという想いが芽生えて、いつしかプロ野球へ進む先輩方や同期達とは違った形でフィールドへ立ちたいと思うようになっていました。明治の野球部で初の某社採用入りで。100何年の歴史の中で、何事も初めてや第一号になることって難しいし、「パイオニア」としてそこに身を置く価値があると思っています。自分が求められる先がある以上は、そこに徹するという気持ちで仕事と向き合っています。まさに2番手だろうが、試合に出ていなかろうが、そういう気持ちを持ち続けたことが、今の社会人になっても活かされているかなと思っています。

スポーツに関わらず、今は放送局と関わり、テレビCMを売り買いする仕事。日本中で起こる事件や天災によって、テレビ番組が変わって内容も変わるので、そこで合うものを我々が提供しなきゃいけない。CM差し替え作業が発生するので決して世の中のニュースが他人事じゃない。広告マンとして時事ネタと連動しながら、アンテナを日々張っていますね。情報の最前線に立って、そこにプライドを持って仕事しています。ゴルフをしていても、ニュースが常に気になり、地震速報とか出たらラウンド中でも切り上げて、帰ります状態に。常に気を張っている感じです。この業界に入社して11年目を迎え、些細なことでも「繋がり」を持てることは、今後の仕事・人生においても必要な事。人間関係の構築を一番大切にしています。

自分との戦いでもある
ゴルフとの関わり

幼少でゴルフ経験はありましたが、社会人になり関西転勤をきっかけに本格的に始めました。仕事でも行くし、ゴルフ仲間とも月に3~4回ラウンドを楽しみ、ベストスコアは71。使用クラブにもかなりこだわりがあり、地元である新潟の遠藤製作所のクラブや、いま住んでいる兵庫にある三浦技研という製鉄メーカーのアイアンという、自分のルーツに誇りを持ったクラブセットで固めています。職人が作っているゴルフクラブに愛を持っています。かなり驚かれるので、スコアとは違うところで、マニアックなクラブがきっかけに話が広がったりすることも。

ゴルフは娯楽でありながらも「上手くなりたい!」と常に挑戦をさせてくれる、奥深いスポーツだと思っています。ゴルフのお陰で繋がったコミュニティもありますし、仕事関係でも、仕事を忘れて懇親できる機会にもなる。ゴルフはうまくいかないことも、圧倒的に多いスポーツ。野球と違って自分との戦いのスポーツだから、続けなきゃと思う自分がいる。コミュニティの楽しさを知ってしまったから、やめられない。

休日の過ごし方は、土曜はゴルフ、日曜は軟式野球というのが多いのですが、暇さえあれば、温泉やサウナへ。家から15分に温泉があって、20~30年毎日通っている常連さんたちが必ずいて、70代までと幅広い。自分のいつも住んでいる世界とは、また別の世界の話を聞いてリフレッシュして、裸の付き合いを楽しんでいます。何者でもない感じでしゃべることが、結構よくて。人とコミュニケーションをとることが、ある意味生活の一部になり、週2~5回通うほどに。ゴルフや野球以外で自分のルーティンを確立したのが、温泉&サウナです。

モチベアップにつながる
着心地よいウェアを求めて

ゴルフウェアのこだわりは、体が大きいので、とにかくストレッチ性と着心地重視で選んでいます。体型によってパンツ選びがとくに難しいのが悩みでもあり、ヒップ、ウエスト、シルエットのバランスをキープする、サイジングに困るときも。汗をかきやすいのですが、生地もさらっとしていて快適。ノーストレスな柔らかなストレッチ素材は最近主流になってきているけれど、このパンツは裾がすっきりとしていてシルエットもキレイで、かつウエストのおさまりがよくて気に入りました。やっぱりキレイに見えるっていうのは、すごく着ていて気持ちがいい。体型にも合う自分の体のラインを美しくしてくれる感じに感動しました。

ジャケットは、サイドベンツとか背中に切り込みがないので、ボタンを閉めるとシルエットがより分かる。仕事して、そのままゴルフ行って、着たまま寝られるくらい、24時間着てもいいくらい楽です(笑)。最近はスーツやセットアップが安価に手に入る時代になったけど、その中でもちゃんとフォーマルからビジネスシーンまで使いこなせる一着は持っていたい。いいスーツってやはり一番モチベーションが高くなるんです。僕の仕事は、毎日必ずスーツじゃなくていいし、着るシーンも少なくなってきている中で、毎日着たいって思えることが大事。スーツってやはり着ていると疲れるし、何より夕方になると早く脱ぎたくなるから、朝、着るのも面倒くさい。手入れも大変だし。でもこんなにストレスフリーなスーツがあると本当に楽だし、それこそ2,3着欲しいくらいの感じです。買っても大丈夫なお値段だし。

ブラウンを選んだのは、チョコ茶、こげ茶のトーンが好きで、着ていると「茶色似合うよね」と褒められることが多いので、自分らしくいられる色です。王道の黒紺グレーが多い中、ブラウンの展開をしているというところに、こだわりと好感が持てるし、かなり刺さりました。ゴルフシーンには今回ピンクをコーデしてみましたが、ビジネスシーンなら淡いブルーのシャツを合わせてブラウンのタイをしてみたりすると、ひとと異なるちょっとのセンスでさらにカッコよく見えると思います。ひとを喜ばれせたり、つまらない男に映らないように、着こなしも気にしている僕なりの広告マンプライドの選びです(笑)。

毎日アップデートする
出力最大に過ごす今後とは

今後、日本という素晴らしい国をもっと世界中に発信していく力をつけていきたいです。これまで日本というフィールドで物事を考えていましたが、これからは世界からみた日本という視点を大事にして、15%上乗せしたバリューを届けられるように、仕事に励んでいきたいです。「これでいいや」という感覚を捨てて、常に昨日の自分を超えられるようなモチベーションを持つことだと思います。

これはゴルフでもそうですし、ランニングでも筋トレだと分かりやすいですが、他の趣味でも「他人より知っている」という情報を、毎日アップデートしていく気持ちが大切だと思っています。ウンチクをたくさん持っていると頭良く見えるし、何でもない知識がたくさんあることで、ひととしての厚みが増す。常に仕事も休日も「出力最大」で過ごすことが、楽しめるヒントかなと考えています。

「夢はありますか?」と聞かれて、芯のあるひとってさらっと言える。だから僕もそうありたいし、「あいつといると楽しいよね」ってひとが集まってくるひとになりたい。まだ知らない世界やひとに会えるチャンスが世界中にあるから、自分という人間を売り込んでいきたい。そのためには仕事でもサウナでもゴルフでも、ボーダーレスに人一倍努力する自分でいたいです。

撮影/伏見大祐

取材・文/濱口眞夕子(SEASTARS Inc.)

撮影協力/茨木国際ゴルフ倶楽部(GRAND PGM)