Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

Voice.22 トーキョー・カット Omotesando からサヴィル・ロウへ


ORIHICA in サヴィル・ロウ
ORIHICAでは、これまでにキャサリン・ハムネット、ティモシー・エベレストなど多くのデザイナーとのコラボレーションを行ってきた。そして、続々とそのコラボの輪が広がっている。
今回のコラボレーションはORIHICAのシャツコレクションを見て気に入ったという、日本でも人気の高い、英国人デザイナーのイアン・バッテン(Ian Batten)からのオファーにより実現したものだ。彼のデザインを取り入れたシャツに、私が日本と英国そしてORIHICAのエッセンスを加えた。幾度となく試作を重ねて完成したコラボレーションシャツは、サヴィル・ロウにある「B Store」という高感度なセレクトショップで販売された。「B Store」はパリにあるコレットのようなショップで、セレブリティやファッションピープルからも注目されているところ。ロンドン初上陸のORIHICAシャツがそのようなショップに置かれ、初日から2週間で入荷数の半分、最終的に6週間で全アイテムが完売したのだ。これは、ORIHICAという日本の1つのブランドが、国際的に認知されたという証でもある。

Made in Japanの強さ
B Storeのコラボレーションシャツ完売からもわかるように、英国から見ると日本のブランドはとても魅力的であり、Cool Japanというイメージで高い評価を得ている。それは、東洋的な発想の面白さ、デザイン力やクリエイティブ力の高さ、そして高い技術力、仕立ての良さを総合したイメージであろう。タグの片隅に刺繍されている「Made in Japan」は、タグがなくともそのすばらしさは全世界で証明されるであろう。そして、これは逆の視点から見てもしかり。英国も同様の力を持っている。それは何よりもサヴィル・ロウの仕立てを見れば一目瞭然だ。

サヴィル・ロウ・カット
現在も、サヴィル・ロウのテーラーを目指して世界中から紳士たちが集まる。そしてサヴィル・ロウ・カットで仕立てられたスーツやシャツを纏う。ファッションにとって、カッティングはとても重要で、シャツにおいてはなおさら重要なこと。カッティングはシャツの命ともいえる。ORIHICAはシャツのディテールにこだわり、そのカットも他にはないものだと自負している。私はこれをTokyo Cutと名付けたい。そして、このTokyo Cutの良さを理解してくれる世界中の人々にシャツを着てほしいと思う。
2008年は、日本と英国が友好関係を築いてから150年。UK-JAPAN2008という在日英国大使館主催の年間イベントの一環として、伊勢丹新宿店にて「The London Cut ISETAN」(2008年3月19〜25日まで)という展示会が開催されたが、サヴィル・ロウが築き上げたスーツの歴史は英国文化と伝統の一部であり、それがメンズ・ファッション、そして世界中のビジネスウェアとして定着したことがわかる。ORIHICAも、表参道の地でTokyo Cutを発信し続けていきたい。

Backnumber

コラボレーションシャツ


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。

Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

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ORIHICA in サヴィル・ロウ
ORIHICAでは、これまでにキャサリン・ハムネット、ティモシー・エベレストなど多くのデザイナーとのコラボレーションを行ってきた。そして、続々とそのコラボの輪が広がっている。
今回のコラボレーションはORIHICAのシャツコレクションを見て気に入ったという、日本でも人気の高い、英国人デザイナーのイアン・バッテン(Ian Batten)からのオファーにより実現したものだ。彼のデザインを取り入れたシャツに、私が日本と英国そしてORIHICAのエッセンスを加えた。幾度となく試作を重ねて完成したコラボレーションシャツは、サヴィル・ロウにある「B Store」という高感度なセレクトショップで販売された。「B Store」はパリにあるコレットのようなショップで、セレブリティやファッションピープルからも注目されているところ。ロンドン初上陸のORIHICAシャツがそのようなショップに置かれ、初日から2週間で入荷数の半分、最終的に6週間で全アイテムが完売したのだ。これは、ORIHICAという日本の1つのブランドが、国際的に認知されたという証でもある。

Made in Japanの強さ
B Storeのコラボレーションシャツ完売からもわかるように、英国から見ると日本のブランドはとても魅力的であり、Cool Japanというイメージで高い評価を得ている。それは、東洋的な発想の面白さ、デザイン力やクリエイティブ力の高さ、そして高い技術力、仕立ての良さを総合したイメージであろう。タグの片隅に刺繍されている「Made in Japan」は、タグがなくともそのすばらしさは全世界で証明されるであろう。そして、これは逆の視点から見てもしかり。英国も同様の力を持っている。それは何よりもサヴィル・ロウの仕立てを見れば一目瞭然だ。

サヴィル・ロウ・カット
現在も、サヴィル・ロウのテーラーを目指して世界中から紳士たちが集まる。そしてサヴィル・ロウ・カットで仕立てられたスーツやシャツを纏う。ファッションにとって、カッティングはとても重要で、シャツにおいてはなおさら重要なこと。カッティングはシャツの命ともいえる。ORIHICAはシャツのディテールにこだわり、そのカットも他にはないものだと自負している。私はこれをTokyo Cutと名付けたい。そして、このTokyo Cutの良さを理解してくれる世界中の人々にシャツを着てほしいと思う。
2008年は、日本と英国が友好関係を築いてから150年。UK-JAPAN2008という在日英国大使館主催の年間イベントの一環として、伊勢丹新宿店にて「The London Cut ISETAN」(2008年3月19〜25日まで)という展示会が開催されたが、サヴィル・ロウが築き上げたスーツの歴史は英国文化と伝統の一部であり、それがメンズ・ファッション、そして世界中のビジネスウェアとして定着したことがわかる。ORIHICAも、表参道の地でTokyo Cutを発信し続けていきたい。

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コラボレーションシャツ


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。