以前、このディレクターズボイスの中で、サヴィル・ロウの歴史について触れたことがある。伝統を重んじながらも変化し続けるスーツの聖地は、今新たに注目されメンズファッションを語る上で重要視されているのだ。これを裏付ける、とても素晴らしい展覧会がイタリアのフィレンツェで開催された。
毎年イタリアで開催されるメンズコレクション「ピティ・イマジン・ウオモ」は、世界各国からバイヤーが集まるファッションの見本市。私もこのコレクションを時折訪れており、2007年秋冬のコレクションを見るために、先月フィレンツェへと足を運んだ。コレクションもさることながら、今回のメインは同時期開催の衝撃的な展示会「ロンドン・カット〜サヴィル・ロウのビスポーク・テーラリング」 。イタリアという地に、セヴィル・ロウのブランド、デザイナー、テイラーが一堂に会するという前代未門であり、ブリオーニ、コーネリアーニ、ジョルジオ・アルマーニらの服で知られたイタリアがサヴィル・ロウに敬意を払うのはとても興味深い。そしてなによりも誇らしいのは、仕立て技術やスーツの発祥がサヴィル・ロウだということ! あのトム・フォードもサヴィル・ロウに影響を受けており、ステラ・マッカートニー、アレキサンダー・マクイーンはサヴィル・ロウで修行をしていた。
イタリアでもフランスでも日本でもなく、英国のロンドンがオリジナルであり、今日、ビジネスやビジネス・カジュアルとして私たちが着る服の原点がここにあるのだ。
スーツやスーツを使ったコーディネーションは、フランツ・フェルディナンド、アークティック・モンキー、ベイビーシャンブルスらのミュージシャン、ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニーら俳優、そしてスポーツ界では例えばデビッド・ベッカムを通じて一つの文化になっている。そう、これは「キモノ」が日本の文化であるのと同じで、日本のビジネスマンがスーツをユニフォームと捉えるのとは異なる。幼い頃からスーツがワードローブであり、年齢を重ねるごとに独自のスーツスタイルを築き上げる英国ならではの文化なのであろう。
近年、サヴィル・ロウは新世代の富裕層に支持されている。ロンドンは、ヨーロッパの経済の中心でもあり、インターナショナルバンクや大手企業のヨーロッパにおけるヘッドオフィスが数多く存在するため、ファイナンシャルシティに勤務するエグゼグティブたちは、サヴィル・ロウでスーツを誂えるようになった。一着のスーツが平均35万円と言われているが、スーツの聖地で誂えることはステイタスの証。時代は変われど、紳士たちが愛してやまない小さな通りは、世界中から一目置かれていることが伺える。
ORIHICAにとっても、スーツはとても重要なスタイル。インナーや小物使いでスーツに新たなエッセンスを加える。例えば、お決まりのスーツスタイルではなく、カジュアルでもビジネスでもシーンに応じて着まわしのきくきれい目デニムを組み合わせたスーツ・コレクション。同じスーツを3通りに着るコーディネーションを提案している。そのコーディネーションにぜひ注目してほしい。





ジャケット×シャツ×タイの基本スタイル

ジャケット×ジーンズのビジネスカジュアルスタイル

デニムジャケットを合わせたカジュアルスタイル
70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。
以前、このディレクターズボイスの中で、サヴィル・ロウの歴史について触れたことがある。伝統を重んじながらも変化し続けるスーツの聖地は、今新たに注目されメンズファッションを語る上で重要視されているのだ。これを裏付ける、とても素晴らしい展覧会がイタリアのフィレンツェで開催された。
毎年イタリアで開催されるメンズコレクション「ピティ・イマジン・ウオモ」は、世界各国からバイヤーが集まるファッションの見本市。私もこのコレクションを時折訪れており、2007年秋冬のコレクションを見るために、先月フィレンツェへと足を運んだ。コレクションもさることながら、今回のメインは同時期開催の衝撃的な展示会「ロンドン・カット〜サヴィル・ロウのビスポーク・テーラリング」 。イタリアという地に、セヴィル・ロウのブランド、デザイナー、テイラーが一堂に会するという前代未門であり、ブリオーニ、コーネリアーニ、ジョルジオ・アルマーニらの服で知られたイタリアがサヴィル・ロウに敬意を払うのはとても興味深い。そしてなによりも誇らしいのは、仕立て技術やスーツの発祥がサヴィル・ロウだということ! あのトム・フォードもサヴィル・ロウに影響を受けており、ステラ・マッカートニー、アレキサンダー・マクイーンはサヴィル・ロウで修行をしていた。
イタリアでもフランスでも日本でもなく、英国のロンドンがオリジナルであり、今日、ビジネスやビジネス・カジュアルとして私たちが着る服の原点がここにあるのだ。
スーツやスーツを使ったコーディネーションは、フランツ・フェルディナンド、アークティック・モンキー、ベイビーシャンブルスらのミュージシャン、ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニーら俳優、そしてスポーツ界では例えばデビッド・ベッカムを通じて一つの文化になっている。そう、これは「キモノ」が日本の文化であるのと同じで、日本のビジネスマンがスーツをユニフォームと捉えるのとは異なる。幼い頃からスーツがワードローブであり、年齢を重ねるごとに独自のスーツスタイルを築き上げる英国ならではの文化なのであろう。
近年、サヴィル・ロウは新世代の富裕層に支持されている。ロンドンは、ヨーロッパの経済の中心でもあり、インターナショナルバンクや大手企業のヨーロッパにおけるヘッドオフィスが数多く存在するため、ファイナンシャルシティに勤務するエグゼグティブたちは、サヴィル・ロウでスーツを誂えるようになった。一着のスーツが平均35万円と言われているが、スーツの聖地で誂えることはステイタスの証。時代は変われど、紳士たちが愛してやまない小さな通りは、世界中から一目置かれていることが伺える。
ORIHICAにとっても、スーツはとても重要なスタイル。インナーや小物使いでスーツに新たなエッセンスを加える。例えば、お決まりのスーツスタイルではなく、カジュアルでもビジネスでもシーンに応じて着まわしのきくきれい目デニムを組み合わせたスーツ・コレクション。同じスーツを3通りに着るコーディネーションを提案している。そのコーディネーションにぜひ注目してほしい。





ジャケット×シャツ×タイの基本スタイル

ジャケット×ジーンズのビジネスカジュアルスタイル

デニムジャケットを合わせたカジュアルスタイル
70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。