ロンドン社交界の夏は、「ロイヤル・アスコット」で始まる。毎年夏の訪れとともに、王室が所有するアスコット競馬場には、世界中から著名人が集まる。世界中の社交界と競馬界を華やかに彩る伝統的なイベントは、1711年8月11日にアン女王のアイデアから始まったもの。王室とともに歩むアスコットは、ファッションや英国の伝統を今日まで受け継ぐ、特別なイベントとしての格式の高さが伺えるのだ。
私は、父の関係で過去18年間、このイベントに参加している。参加資格は、女王陛下に招待された者のみ! 招待券は購入することができないため、どんな大富豪であろうと、著名人であろうとも招待状が届かなければ、参加することは許されない。商業要素は全くなく、チャリティーイベントや交流の場としての側面をもつ。
ロイヤル・アスコットには、競馬だけではなく、様々な楽しみ方があるのも昔から変わらない。レース当日は、エリザベス女王をはじめ、チャールズ皇太子などロイヤルファミリーも出席される。王家一族と、間近に接することができることも魅力であるが、女性のファッション、クルマ、ランチは、見ているだけでもとても面白い。それは、中世と現代の文化が融合された空間にタイムスリップしたような感覚に近く、捉え方によっては新鮮だったりもする。
ファッションについていえば、ドレスコードが制定された1807年には、競馬の中で最も名誉あるゴールドカップが導入され、レディスデイも設立された。レディスデイは、参加する女性たちにとっては、メインイベント。ドレスもさることながら、彼女たちのファッションのメインは帽子。まるで、オードリー・ヘプバーンの「マイ・フェア・レディ」のように華やかで優雅な帽子から、個性的で奇抜なデザインまで、ファッショナブルな帽子がおしゃれ度を左右する。
男性は、英国紳士のエレガンスともいえる、腰のくびれた黒の燕尾服・白いタイとグレーのパンツ。そして、シルクハットという正装がドレスコード。しかし、最近では、10代や20代の若い世代がシンプルな正装で現れるのに対して、年配の男性ほど、ワンポイントの入ったカラータイやシャツを着用しているのがユニークなところ。日頃、ロックやパンクを愛し個性的なコーディネイトをする若い世代ほど、かっちりとした伝統ファッションで決めるというのも興味深い。
クルマだけでも、一見の価値あり。駐車場はロールス・ロイス、ベントレー、アストン・マーチン、レンジ・ローバー、アウディなどの高級車がずらり。私はここが世界で最も高級感のあるカーショーだと思っている。車種だけではなく、ナンバーにも秘密があり、なんと自分の名前を入れたナンバーは、ステイタスの証。中には、ナンバーだけで、数千万円もするものもある!
英国の独自性は、伝統を重んじつつも、ディテールを少しずつ変化させて新しい文化を生む。これは、ORIHICAのコンセプトにも通じているのだ。

王室とともに歩むアスコットは、ファッションや英国の伝統を今日まで受け継ぐ、特別なイベント。

ロイヤル・アスコットには、競馬だけではなく、様々な楽しみ方があるのも昔から変わらない。

中世と現代の文化が融合された空間にタイムスリップしたような感覚に近い。

個性的なコーディネイトをする若い世代ほど、かっちりとした伝統ファッションで決めるというのも興味深い。
70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。
ロンドン社交界の夏は、「ロイヤル・アスコット」で始まる。毎年夏の訪れとともに、王室が所有するアスコット競馬場には、世界中から著名人が集まる。世界中の社交界と競馬界を華やかに彩る伝統的なイベントは、1711年8月11日にアン女王のアイデアから始まったもの。王室とともに歩むアスコットは、ファッションや英国の伝統を今日まで受け継ぐ、特別なイベントとしての格式の高さが伺えるのだ。
私は、父の関係で過去18年間、このイベントに参加している。参加資格は、女王陛下に招待された者のみ! 招待券は購入することができないため、どんな大富豪であろうと、著名人であろうとも招待状が届かなければ、参加することは許されない。商業要素は全くなく、チャリティーイベントや交流の場としての側面をもつ。
ロイヤル・アスコットには、競馬だけではなく、様々な楽しみ方があるのも昔から変わらない。レース当日は、エリザベス女王をはじめ、チャールズ皇太子などロイヤルファミリーも出席される。王家一族と、間近に接することができることも魅力であるが、女性のファッション、クルマ、ランチは、見ているだけでもとても面白い。それは、中世と現代の文化が融合された空間にタイムスリップしたような感覚に近く、捉え方によっては新鮮だったりもする。
ファッションについていえば、ドレスコードが制定された1807年には、競馬の中で最も名誉あるゴールドカップが導入され、レディスデイも設立された。レディスデイは、参加する女性たちにとっては、メインイベント。ドレスもさることながら、彼女たちのファッションのメインは帽子。まるで、オードリー・ヘプバーンの「マイ・フェア・レディ」のように華やかで優雅な帽子から、個性的で奇抜なデザインまで、ファッショナブルな帽子がおしゃれ度を左右する。
男性は、英国紳士のエレガンスともいえる、腰のくびれた黒の燕尾服・白いタイとグレーのパンツ。そして、シルクハットという正装がドレスコード。しかし、最近では、10代や20代の若い世代がシンプルな正装で現れるのに対して、年配の男性ほど、ワンポイントの入ったカラータイやシャツを着用しているのがユニークなところ。日頃、ロックやパンクを愛し個性的なコーディネイトをする若い世代ほど、かっちりとした伝統ファッションで決めるというのも興味深い。
クルマだけでも、一見の価値あり。駐車場はロールス・ロイス、ベントレー、アストン・マーチン、レンジ・ローバー、アウディなどの高級車がずらり。私はここが世界で最も高級感のあるカーショーだと思っている。車種だけではなく、ナンバーにも秘密があり、なんと自分の名前を入れたナンバーは、ステイタスの証。中には、ナンバーだけで、数千万円もするものもある!
英国の独自性は、伝統を重んじつつも、ディテールを少しずつ変化させて新しい文化を生む。これは、ORIHICAのコンセプトにも通じているのだ。

王室とともに歩むアスコットは、ファッションや英国の伝統を今日まで受け継ぐ、特別なイベント。

ロイヤル・アスコットには、競馬だけではなく、様々な楽しみ方があるのも昔から変わらない。

中世と現代の文化が融合された空間にタイムスリップしたような感覚に近い。

個性的なコーディネイトをする若い世代ほど、かっちりとした伝統ファッションで決めるというのも興味深い。
70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。