Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

Voice.14 London Fashion Week ロンドン ファッション ウィーク


毎年2月と10月にロンドンで開催されるファッションイベント「ロンドン・ファッション・ウィーク」。今年は、2月14日から19日まで、ロンドンのサウスケンジントンにある、自然歴史博物館が舞台となった。ロンドン・ファッション・ウィークで特徴的なポイントが二つある。
一つ目は、新人デザイナーたちの登竜門として、若く才能あふれるデザイナーたちの発表の場所であるということ。ミラノ、パリ、ニューヨークなど各都市のファッションウィークと異なり、老舗メゾンは参加しないのだ。二つ目は、ショーの内容自体、レディスウェアがメインということである。メンズ・レディスとわけて発表することが一般的であるが、性別にとらわれず、互いに共存できるようなライフスタイルを提案するため、女性たちに向けたメンズウェアを紹介したりもする。趣向が凝らされたショーにやってくるゲストたちは、男女の比率が半々だ。


登竜門とされるだけに、世界中からプレスが集結する。今年は、例年よりもプレスの数が多いのが印象的だった。偶然、『VOGUE USA』のチーフエディターもお見かけした。プレスだけではなく、未知の才能をビジネスにつなげるため、LVMHをはじめとする大手メゾンのスカウトも見受けられた。
ここで名声を広めれば、新人たちにとっては大きなチャンスを得たも同然。後々、事務所を構えられる可能性が高まるということである。現在、世界中で知られるデザイナー、アレクサンダー・マックイーン、ジョン・ガリアーノ、アントニオ・ベラルディ、ソフィア・ココサラキ(アテネオリンピック開会式の公式衣装のデザイナー)、クレメンツ・リベイロ(現、キャシャレルのクリエイティブディレクター)たちも、ロンドン・ファッション・ウィークをきっかけに飛躍。その他にも、名だたるメンバーがここから巣立っている。

ロンドン・ファッション・ウィークの見ものは、これだけではない。ショーの後に開かれるパーティが、とても重要なのである。なぜなら、このパーティが、ファッション、ミュージック、エンタテインメントすべてがリンクする文化交流の場になり、これが新たなライフスタイル形成し世界中に繋がっていくからである。
レストラン、バーなど流行のエリアで開催されるパーティには、プレスやバイヤーをはじめ、各界のセレブたちが現れる。例えば、キャサリンハムネットは、オーガニックレストランでのオーガニックパーティを。オズ・ワールドは、サッカー好きなので、パーティ会場もサッカーがテーマだった。それぞれに訪れるセレブたちの装いもユニークで、今回の2006コレクションのキーワード、「Urban Chic」や「Relaxed Attitude」をベースに、彼らの着こなしにも洗練されたスマートさやカジュアルでも個性が光るファッションなど取り入れられていた。特に、トレンドセッターのジュリアン・マクドナルドは、ロックモチーフで、奇抜なデザインのジャケットを、ジャミロクワイは、ムートンのジャケットを羽織っていた!

アンダーグラウンドとトレンドのクロスカルチャー。ロンドン・ファッション・ウィークは、新たな可能性を常に見続けているようだ。

Backnumber

今年は、ロンドンのサウスケンジントンにある、自然歴史博物館が舞台となった。


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。

Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

Voice.14 London Fashion Week ロンドン ファッション ウィーク


毎年2月と10月にロンドンで開催されるファッションイベント「ロンドン・ファッション・ウィーク」。今年は、2月14日から19日まで、ロンドンのサウスケンジントンにある、自然歴史博物館が舞台となった。ロンドン・ファッション・ウィークで特徴的なポイントが二つある。
一つ目は、新人デザイナーたちの登竜門として、若く才能あふれるデザイナーたちの発表の場所であるということ。ミラノ、パリ、ニューヨークなど各都市のファッションウィークと異なり、老舗メゾンは参加しないのだ。二つ目は、ショーの内容自体、レディスウェアがメインということである。メンズ・レディスとわけて発表することが一般的であるが、性別にとらわれず、互いに共存できるようなライフスタイルを提案するため、女性たちに向けたメンズウェアを紹介したりもする。趣向が凝らされたショーにやってくるゲストたちは、男女の比率が半々だ。


登竜門とされるだけに、世界中からプレスが集結する。今年は、例年よりもプレスの数が多いのが印象的だった。偶然、『VOGUE USA』のチーフエディターもお見かけした。プレスだけではなく、未知の才能をビジネスにつなげるため、LVMHをはじめとする大手メゾンのスカウトも見受けられた。
ここで名声を広めれば、新人たちにとっては大きなチャンスを得たも同然。後々、事務所を構えられる可能性が高まるということである。現在、世界中で知られるデザイナー、アレクサンダー・マックイーン、ジョン・ガリアーノ、アントニオ・ベラルディ、ソフィア・ココサラキ(アテネオリンピック開会式の公式衣装のデザイナー)、クレメンツ・リベイロ(現、キャシャレルのクリエイティブディレクター)たちも、ロンドン・ファッション・ウィークをきっかけに飛躍。その他にも、名だたるメンバーがここから巣立っている。

ロンドン・ファッション・ウィークの見ものは、これだけではない。ショーの後に開かれるパーティが、とても重要なのである。なぜなら、このパーティが、ファッション、ミュージック、エンタテインメントすべてがリンクする文化交流の場になり、これが新たなライフスタイル形成し世界中に繋がっていくからである。
レストラン、バーなど流行のエリアで開催されるパーティには、プレスやバイヤーをはじめ、各界のセレブたちが現れる。例えば、キャサリンハムネットは、オーガニックレストランでのオーガニックパーティを。オズ・ワールドは、サッカー好きなので、パーティ会場もサッカーがテーマだった。それぞれに訪れるセレブたちの装いもユニークで、今回の2006コレクションのキーワード、「Urban Chic」や「Relaxed Attitude」をベースに、彼らの着こなしにも洗練されたスマートさやカジュアルでも個性が光るファッションなど取り入れられていた。特に、トレンドセッターのジュリアン・マクドナルドは、ロックモチーフで、奇抜なデザインのジャケットを、ジャミロクワイは、ムートンのジャケットを羽織っていた!

アンダーグラウンドとトレンドのクロスカルチャー。ロンドン・ファッション・ウィークは、新たな可能性を常に見続けているようだ。

Backnumber

今年は、ロンドンのサウスケンジントンにある、自然歴史博物館が舞台となった。


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。