Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

Voice.10 Cool Modern British


2005年の秋冬ファッションは、ロンドン、ミラノ、パリ、ニューヨークのコレクションで見られるように、ブリテッシュ・スタイルへと向かっている。英国の伝統的なスタイルに触発されるファッションシーン。ブリティッシュ・スタイルを築き上げるものについて考えてみよう。


トラディショナルな文化に一石を投じる、新たなムーブメント。英国では、ファッション、音楽、アートにおいて、新旧文化がうまく共存している。そもそも、私が考えるモダン・ブリテッシュの定義は、英国に伝わる文化遺産を、現代のテクノロジーとリミックスすること。掛け合わせの文化が、クラシカルなものをモダンなイメージやスタイルを創造するのだ。

モダン・ブリティッシュの代表格となるのが、英国製のファブリック(生地)。現代のファッションシーンにおけるブリテッシュ・スタイルの確固たる地位を築いた。特にプリント生地は、英国の日常生活に溶け込んだガーデニング文化がプリントという技術により、親しみのある花柄として内装や家具に用いられ、時代を超えて愛され続けている。

花柄以上に知名度の高いのがチェック柄。英国の偉大な遺産といっても過言ではない。スコットランドの一族の領土と建物の象徴である「タータン・チェック」、ヴィクトリア女王の子息プリンス・オブ・ウェールズのために創作された大柄のグレンチェック「プリンス・オブ・ウェールズ・チェック」、「ハウンドトゥース」「ドックトゥース」と呼ばれる千鳥格子は、19世紀のハンティング、フィッシング、シューティングといったスポーツシーンへの伝統的英国ファッションに用いられた。

このような背景をもとにオリヒカでは、コンテンポラリーでファッショナブルなイメージでファブリックをリミックス、パンツ、ジャケットなどでブリテッシュ・スタイルを表現する。例えばスコットランドでシューティングに着用される「エジンバラジャケット」は、英国のグレンチェック生地で仕立て、6ポケット。ライニングのない、赤い色のコットン生地でトリミングし、現代のライフスタイルにあわせた着回しのきく一着である。

ORIHICA 2005年 秋冬コレクション
Cool Modern British 今シーズンのORIHICAでは、「グラマス・ミーツ・ニューウェイブ」と題し、クール・ブリテッシュ・モダンを提案する。クールに着こなす秘訣は、シンプルでありながら、ディテールにちょっとしたアクセントを身に着けること。ちょっとユーズド感のあるブリテッシュイメージの生地に、輝きを放つアクセサリーを組み合わせ、フォーマルとカジュアル感をミックスすることが、オールド&ニューの共存である。

●フォーマル
ネイビーブルーのスーツに、プレスを効かせたストライプシャツでかちっとしたトラディショナル感を出しつつ、ボタン、ライニング、ポケットなどのディテールや衿型は、今風のスタイリングで仕上げること。フォーマルカラーの白混じり系シャツには、ダブルカフスにするのがポイント。

●ビジネスカジュアル
ビジネスシーンでは、ベルベットカラーのセミフォーマルウールジャケットを。タキシード調のジャケットなら、セミフォーマルなスタイルを演出できる。オン・オフ両方でコーディネイトを楽しめる優れものだ。また、チェックとプレーンをミックスしたスーツは、ネクタイの有無を問わず着こなせる。ポケット、ボタン、ベルベットリボンのディテールをきかせると、よりモダンな印象を与える。

●カジュアルウェア
大人のラグジュアリーなグランジを演出するには、アンティーク真鍮仕上げのローライズジーンズに、光沢仕上げのブーツカットデニム。チェック地のプリントに、ミックスストライプをあしらったタイトフィットシャツを合わせたい。ポイントになるベルト、チェーン、リストバンドやスタッドボタンなどは、シャイニーなものがベスト。カート・コバーンを彷彿させるグラマラスなコーディネートは、まさにクールモダンである。

ブリティッシュ・スタイルが息づくデニム
ブリティッシュ精神は、コーディネートだけではない。オリヒカが展開するオーガニックデニムコレクションは、環境保護に配慮した方法で製造されている。人間の身体に優しいだけではなく、地球を汚染から守り、貧困にあえぐ国々の農民達をアシストするという意味あいをもつ。私たちが、地球に対して健全な生活を示し、環境問題を考える姿勢を表明するための第一ステップといえる。注目すべきは、オリジナルの「カセット」オーガニックコットンデニムジーンス。オリヒカショップの内装のパネルを形どった、オリヒカのトレードマークである。多くの典型的な英国風ディテールを取り込んでいるが、もちろんオリヒカのホールマークとも言える独自のものなのだ。

Backnumber

2005年の秋冬ファッションは、ブリテッシュ・スタイルへと向かっている。

 

 

 

ORIHICA 2005年 秋冬コレクション

フォーマル

ビジネスカジュアル

カジュアルウェア


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。

Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

Voice.10 Cool Modern British


2005年の秋冬ファッションは、ロンドン、ミラノ、パリ、ニューヨークのコレクションで見られるように、ブリテッシュ・スタイルへと向かっている。英国の伝統的なスタイルに触発されるファッションシーン。ブリティッシュ・スタイルを築き上げるものについて考えてみよう。


トラディショナルな文化に一石を投じる、新たなムーブメント。英国では、ファッション、音楽、アートにおいて、新旧文化がうまく共存している。そもそも、私が考えるモダン・ブリテッシュの定義は、英国に伝わる文化遺産を、現代のテクノロジーとリミックスすること。掛け合わせの文化が、クラシカルなものをモダンなイメージやスタイルを創造するのだ。

モダン・ブリティッシュの代表格となるのが、英国製のファブリック(生地)。現代のファッションシーンにおけるブリテッシュ・スタイルの確固たる地位を築いた。特にプリント生地は、英国の日常生活に溶け込んだガーデニング文化がプリントという技術により、親しみのある花柄として内装や家具に用いられ、時代を超えて愛され続けている。

花柄以上に知名度の高いのがチェック柄。英国の偉大な遺産といっても過言ではない。スコットランドの一族の領土と建物の象徴である「タータン・チェック」、ヴィクトリア女王の子息プリンス・オブ・ウェールズのために創作された大柄のグレンチェック「プリンス・オブ・ウェールズ・チェック」、「ハウンドトゥース」「ドックトゥース」と呼ばれる千鳥格子は、19世紀のハンティング、フィッシング、シューティングといったスポーツシーンへの伝統的英国ファッションに用いられた。

このような背景をもとにオリヒカでは、コンテンポラリーでファッショナブルなイメージでファブリックをリミックス、パンツ、ジャケットなどでブリテッシュ・スタイルを表現する。例えばスコットランドでシューティングに着用される「エジンバラジャケット」は、英国のグレンチェック生地で仕立て、6ポケット。ライニングのない、赤い色のコットン生地でトリミングし、現代のライフスタイルにあわせた着回しのきく一着である。

ORIHICA 2005年 秋冬コレクション
Cool Modern British 今シーズンのORIHICAでは、「グラマス・ミーツ・ニューウェイブ」と題し、クール・ブリテッシュ・モダンを提案する。クールに着こなす秘訣は、シンプルでありながら、ディテールにちょっとしたアクセントを身に着けること。ちょっとユーズド感のあるブリテッシュイメージの生地に、輝きを放つアクセサリーを組み合わせ、フォーマルとカジュアル感をミックスすることが、オールド&ニューの共存である。

●フォーマル
ネイビーブルーのスーツに、プレスを効かせたストライプシャツでかちっとしたトラディショナル感を出しつつ、ボタン、ライニング、ポケットなどのディテールや衿型は、今風のスタイリングで仕上げること。フォーマルカラーの白混じり系シャツには、ダブルカフスにするのがポイント。

●ビジネスカジュアル
ビジネスシーンでは、ベルベットカラーのセミフォーマルウールジャケットを。タキシード調のジャケットなら、セミフォーマルなスタイルを演出できる。オン・オフ両方でコーディネイトを楽しめる優れものだ。また、チェックとプレーンをミックスしたスーツは、ネクタイの有無を問わず着こなせる。ポケット、ボタン、ベルベットリボンのディテールをきかせると、よりモダンな印象を与える。

●カジュアルウェア
大人のラグジュアリーなグランジを演出するには、アンティーク真鍮仕上げのローライズジーンズに、光沢仕上げのブーツカットデニム。チェック地のプリントに、ミックスストライプをあしらったタイトフィットシャツを合わせたい。ポイントになるベルト、チェーン、リストバンドやスタッドボタンなどは、シャイニーなものがベスト。カート・コバーンを彷彿させるグラマラスなコーディネートは、まさにクールモダンである。

ブリティッシュ・スタイルが息づくデニム
ブリティッシュ精神は、コーディネートだけではない。オリヒカが展開するオーガニックデニムコレクションは、環境保護に配慮した方法で製造されている。人間の身体に優しいだけではなく、地球を汚染から守り、貧困にあえぐ国々の農民達をアシストするという意味あいをもつ。私たちが、地球に対して健全な生活を示し、環境問題を考える姿勢を表明するための第一ステップといえる。注目すべきは、オリジナルの「カセット」オーガニックコットンデニムジーンス。オリヒカショップの内装のパネルを形どった、オリヒカのトレードマークである。多くの典型的な英国風ディテールを取り込んでいるが、もちろんオリヒカのホールマークとも言える独自のものなのだ。

Backnumber

2005年の秋冬ファッションは、ブリテッシュ・スタイルへと向かっている。

 

 

 

ORIHICA 2005年 秋冬コレクション

フォーマル

ビジネスカジュアル

カジュアルウェア


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。