Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

Voice.08 London Shop Display


ショップのディスプレイは、アイテムのコンセプトを視覚的にわかりやすく伝えるためにとても重要な役割を担っている。ディスプレイは、単にアイテムを飾ればよいということではない。今回はロンドンのショップディスプレイについて触れてみよう。


ウィンドウディスプレイ
ウィンドウディスプレイとは次の4つに定義されると考えられる。
・通行人をショップへと誘うきっかけづくり
・ショップのコンセプト、イメージを端的に表現する
・ショップのライフスタイルイメージ(生活全般の提案)を表現する
・シーズンのコーディネーション提案をする

ロンドンのショップのウィンドウディスプレイは、デパートからセレクトショップにいたるまで、各ショップのオリジナリティやコンセプトが明確に表現されている。ガラス張りの特別な空間を飾るクリエイティブに、人々は魅了され、思わず足が向いてしまうこともしばしばあるようだ。最近私が注目するウィンドウディスプレイは、TOPSHOP(トップショップ)、ALL SAINT(オールセイント)、REISS(リース)など。コンテンポラリーモダンブリティッシュを感じさせ、英国の伝統を取り入れつつも、斬新な発想がうかがえる。

通常、ウィンドウディスプレイのテーマとして掲げられるのは、音楽やスポーツのような流行と関連するカテゴリー、あるいは、季節感の演出や時節のイベント、これらが一つの空間に凝縮されるからこそ、ショップの伝えたい「パッション」をダイレクトに感じるとることができるのであろう。

遊び心をもつショップディスプレイ
ウィンドウディスプレイだけではなく、ショップディスプレイも非常に重要である。それは、ウィンドウからショップ内へ継続した「イメージを伝え、ストーリーを感じさせる」ことがなくてはならないからであり、訪れた人にとって、居心地の良い空間で商品を購入するにふさわしい雰囲気を演出されていなければならない。ロンドンのショップは、お店もこういった空気を作り出すためにとても真面目に取り組み、シーズンごとのディスプレイの入れ替えには、多くの時間を費やして創っている。

日本では、全店統一的なディスプレイが多く見受けられるが、画一化されたがちがちなディスプレイよりも、打ち出すアイテムに店舗ごとに遊びがあったほうが、ショップの「パッション」が伝わるであろう。
ORIHICAのウィンドウおよび、ショップディスプレイは、ロンドンのように「パッション」を感じさせ、同様のクオリティを誇るものだと自負している。外から見たイメージ、店内のイメージを創作するために多くの時間を費やした、ひとつのクリエイティブワークともいえる。ウィンドウは、ORIHICAのパッションをストレートに表現し、店内ディスプレイ(ショップディスプレイ)は細部までこだわり、ロンドンのライブ感を伝えられるショップ作りをしている。店内を飾るポスター、ポップ広告にいたってはロンドンの流行を取り入れ、「New arrival」ではなく、「New Season」と表示したり、ロンドンの時間を演出するBGMには、リアルタイムでVirgin Radioを流している。 ORIHICAのディスプレイから、ぜひ我々のメッセージ、パッションを体感してほしい。新しい発見や楽しみが、きっと見つかるはずだから。

Backnumber

ロンドンのショップのウィンドウディスプレイは、各ショップのオリジナリティやコンセプトが明確に表現されている。

遊び心をもつショップディスプレイ

Photo by Yuki Hiroma


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。

Director's Voice ORIHICA表参道クリエイティブ・ディレクターサリーム・ダロンヴィルからのメッセージ

Voice.08 London Shop Display


ショップのディスプレイは、アイテムのコンセプトを視覚的にわかりやすく伝えるためにとても重要な役割を担っている。ディスプレイは、単にアイテムを飾ればよいということではない。今回はロンドンのショップディスプレイについて触れてみよう。


ウィンドウディスプレイ
ウィンドウディスプレイとは次の4つに定義されると考えられる。
・通行人をショップへと誘うきっかけづくり
・ショップのコンセプト、イメージを端的に表現する
・ショップのライフスタイルイメージ(生活全般の提案)を表現する
・シーズンのコーディネーション提案をする

ロンドンのショップのウィンドウディスプレイは、デパートからセレクトショップにいたるまで、各ショップのオリジナリティやコンセプトが明確に表現されている。ガラス張りの特別な空間を飾るクリエイティブに、人々は魅了され、思わず足が向いてしまうこともしばしばあるようだ。最近私が注目するウィンドウディスプレイは、TOPSHOP(トップショップ)、ALL SAINT(オールセイント)、REISS(リース)など。コンテンポラリーモダンブリティッシュを感じさせ、英国の伝統を取り入れつつも、斬新な発想がうかがえる。

通常、ウィンドウディスプレイのテーマとして掲げられるのは、音楽やスポーツのような流行と関連するカテゴリー、あるいは、季節感の演出や時節のイベント、これらが一つの空間に凝縮されるからこそ、ショップの伝えたい「パッション」をダイレクトに感じるとることができるのであろう。

遊び心をもつショップディスプレイ
ウィンドウディスプレイだけではなく、ショップディスプレイも非常に重要である。それは、ウィンドウからショップ内へ継続した「イメージを伝え、ストーリーを感じさせる」ことがなくてはならないからであり、訪れた人にとって、居心地の良い空間で商品を購入するにふさわしい雰囲気を演出されていなければならない。ロンドンのショップは、お店もこういった空気を作り出すためにとても真面目に取り組み、シーズンごとのディスプレイの入れ替えには、多くの時間を費やして創っている。

日本では、全店統一的なディスプレイが多く見受けられるが、画一化されたがちがちなディスプレイよりも、打ち出すアイテムに店舗ごとに遊びがあったほうが、ショップの「パッション」が伝わるであろう。
ORIHICAのウィンドウおよび、ショップディスプレイは、ロンドンのように「パッション」を感じさせ、同様のクオリティを誇るものだと自負している。外から見たイメージ、店内のイメージを創作するために多くの時間を費やした、ひとつのクリエイティブワークともいえる。ウィンドウは、ORIHICAのパッションをストレートに表現し、店内ディスプレイ(ショップディスプレイ)は細部までこだわり、ロンドンのライブ感を伝えられるショップ作りをしている。店内を飾るポスター、ポップ広告にいたってはロンドンの流行を取り入れ、「New arrival」ではなく、「New Season」と表示したり、ロンドンの時間を演出するBGMには、リアルタイムでVirgin Radioを流している。 ORIHICAのディスプレイから、ぜひ我々のメッセージ、パッションを体感してほしい。新しい発見や楽しみが、きっと見つかるはずだから。

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ロンドンのショップのウィンドウディスプレイは、各ショップのオリジナリティやコンセプトが明確に表現されている。

遊び心をもつショップディスプレイ

Photo by Yuki Hiroma


サリーム・ダロンヴィル

70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。