ロンドンは、デザインとライフスタイルにおいて、世界のクリエイティビティの中心都市。生活そのものがファッションの一大市場であり、それがロンドン特有のモダンなライフスタイルを生み出している。とりわけ、60年代後半のアンダーグラウンドシーンでは、時代背景を反映させた、新たなムーブメントが巻き起こった。
60年代から70年代にかけて、ロンドンにはSpeakeasy(スピークイージー)という、アヴァンギャルドな会員制クラブがあった。ミュージシャン、デザイナー、スポーツプレイヤーなど時代をリードするセレブリティたちの溜り場では、ボブ・マーリィ、ジミ・ヘンドリックス、ディープ・パープル、スモール・フェイセスなどが、毎夜パフォーマンスを繰り広げていた。小さなハコで数々の伝説を残したミュージシャンたちが、社会に与える影響は大きい。これが新たな文化のはじまりである。例えば、レゲエミュージックの象徴とされるラスタは、ボブ・マーリィにより広められた。ラスタカラーと呼ばれる緑、黄、赤のシンボルカラーに、ドレッドヘア。ルーツに畏敬の念を抱き、自由を求めた。一方、過激なパフォーマンスで知られるジミ・ヘンドリックスのサイケデリックなスタイルは、当時の若者たちのライフスタイルを変革させるほどであった。
多様なカルチャーと音楽とのリミックスによって、ファッションは新しい時代のイメージを打ち出し、時を経て、新たな時代の潮流生み出すリミックス精神は、若いアーティストたちに受け継がれている。中でも、フランツ・フェルディナンド、キーン、コールドプレイ、マルーン5、シザー・シスターズ、ロビー・ウィリアムスなどは、歴史を遡って得た発想をリミックスしてうまく取り入れ、自らのスタイルを確立しているといえる。
ORIHICAは、彼ら同様のスタンスでデザインに取り組み、ロンドンファッションの歴史を遡ることで新たなインスピレーションを求め、メンズファッションの今日と明日を編集しているのだ。
なお、ORIHICA春夏コレクションで注目してほしいのが「ストライプ」。イギリスの伝統的スタイルの重要なモチーフであり、コットンストライプのスーツとストライプのシャツをコーディネートして、現代風にリミックスして見せている。また、ミリタリーの流れを汲むコットン素材とモダンなカッティングの組み合わせは、カジュアルコレクションのなかに時代の妙を見いだすことができるだろう。



70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。
Backnumber > ディレクターズボイス:Voice.6
ロンドンは、デザインとライフスタイルにおいて、世界のクリエイティビティの中心都市。生活そのものがファッションの一大市場であり、それがロンドン特有のモダンなライフスタイルを生み出している。とりわけ、60年代後半のアンダーグラウンドシーンでは、時代背景を反映させた、新たなムーブメントが巻き起こった。
60年代から70年代にかけて、ロンドンにはSpeakeasy(スピークイージー)という、アヴァンギャルドな会員制クラブがあった。ミュージシャン、デザイナー、スポーツプレイヤーなど時代をリードするセレブリティたちの溜り場では、ボブ・マーリィ、ジミ・ヘンドリックス、ディープ・パープル、スモール・フェイセスなどが、毎夜パフォーマンスを繰り広げていた。小さなハコで数々の伝説を残したミュージシャンたちが、社会に与える影響は大きい。これが新たな文化のはじまりである。例えば、レゲエミュージックの象徴とされるラスタは、ボブ・マーリィにより広められた。ラスタカラーと呼ばれる緑、黄、赤のシンボルカラーに、ドレッドヘア。ルーツに畏敬の念を抱き、自由を求めた。一方、過激なパフォーマンスで知られるジミ・ヘンドリックスのサイケデリックなスタイルは、当時の若者たちのライフスタイルを変革させるほどであった。
多様なカルチャーと音楽とのリミックスによって、ファッションは新しい時代のイメージを打ち出し、時を経て、新たな時代の潮流生み出すリミックス精神は、若いアーティストたちに受け継がれている。中でも、フランツ・フェルディナンド、キーン、コールドプレイ、マルーン5、シザー・シスターズ、ロビー・ウィリアムスなどは、歴史を遡って得た発想をリミックスしてうまく取り入れ、自らのスタイルを確立しているといえる。
ORIHICAは、彼ら同様のスタンスでデザインに取り組み、ロンドンファッションの歴史を遡ることで新たなインスピレーションを求め、メンズファッションの今日と明日を編集しているのだ。
なお、ORIHICA春夏コレクションで注目してほしいのが「ストライプ」。イギリスの伝統的スタイルの重要なモチーフであり、コットンストライプのスーツとストライプのシャツをコーディネートして、現代風にリミックスして見せている。また、ミリタリーの流れを汲むコットン素材とモダンなカッティングの組み合わせは、カジュアルコレクションのなかに時代の妙を見いだすことができるだろう。



70年代以降の英国ファッションシーン全ての目撃者であり、日本のファッション業界に深く精通している英国人。英国マンチェスター大学でファッションデザインを学ぶ。マルベリー社、マッキントッシュ社においてクリエイティブ・ディレクターを歴任。その後、英国貿易産業省(DTI)にてエクスポート・プロモーターとして数多くの英国人デザイナーやブランドの日本進出をサポートした。