スーツに使われている生地の種類と選び方
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スーツに使われる生地の種類について気になったことがあるという人は多いのではないでしょうか。どんな生地があって、選ぶポイントはどこなのか、今回はそんなスーツの生地を選ぶときに役立つ、スーツの生地の種類や選び方などの基礎知識をまとめてみます。
スーツに使用されている生地の種類と特徴
まずはスーツに使用されている生地にはどんな種類があり、特徴があるかを見てみましょう。化学繊維と天然繊維の2種類に分けてご紹介します。
化学繊維の生地の種類
ナイロン
丈夫で伸縮性に富み、軽い化学繊維の生地です。摩擦や折り曲げに強いこと、シワになりにくいこと、乾きが早いこともメリット。反面、静電気が起きやすく、熱に弱く、吸水性が低く、日光で黄ばむこともあります。スーツの生地としては丈夫さやストレッチ性を生かしてウールとの混紡などで使われます。
レーヨン
レーヨンは絹の質感をめざして作られた繊維の生地です。吸湿性が高く、肌触りが良くて光沢性もあります。一方で、水に濡れると強度が低下し、縮みやすくシワになりやすい弱点を併せ持っています。スーツではこちらも混紡などで使われますが、水に弱いので手入れには気を配りたいところです。スーツの裏地としてもよく使われます。
ポリエステル
石油を原料とする最もポピュラーな化学繊維の生地です。非常に丈夫で弾力性に富み、乾きやすく、軽量で、シワになりにくい特徴を持っています。デメリットは吸湿性が低く、静電気が起きやすいことでしょう。ウールとの混紡のスーツはウール100%と微妙に色合いが異なり、シャープな印象になるのでこれを好む人もいます。こちらも裏地にも使用されます。
天然繊維の生地の種類
ウール
ウール=羊毛は、スーツの生地としては最も代表的な種類です。保湿性が高く、伸縮性、弾力性、耐久性、吸湿性にも優れています。手触りも良く、シワにもなりにくい万能型天然繊維です。ウール特有の自然な温かみも見逃せないポイントでしょう。欠点としては虫がつきやすいこと、縮みやすいことが挙げられます。秋冬だけでなく、春夏用のウール生地のスーツもあります。
カシミア
カシミアは中国北西部、内蒙古、外蒙古、イランなどに生息するカシミア山羊の毛を使用した繊維です。ウールに比べて繊維がきめ細かく上品な光沢があり、肌触りがソフトなのが特徴で、着心地も優れています。欠点は毛玉が発生しやすいことと、デリケートなので扱いに気を遣う必要があること、価格が高いことです。薄くても暖かいので、秋冬用のスーツに向いています。
コットン
衣料に最も多く使われている天然繊維と言えばコットン=綿です。丈夫で熱に強く、吸湿性も優れています。反面、シワになりやすく、水洗いすると縮むことや色落ちすることがあります。コットンのスーツはウールとは違う、ややカジュアルなテイストがあって一定の人気があります。
同じウールでも織り方の違いで生地の種類が違う!?
ウールをメインとした生地は、織り方によってさまざまな種類の素材として分類できます。その種類は非常に豊富で、織り方ひとつでオールシーズン、春夏用、秋冬用と選び方も変わってきます。いくつか代表的な種類を挙げてみるので、選び方について考えてみましょう。
メッシュ
目の粗いざっくりとした、通気性の高い織り方の生地です。見た目にも清涼感があるので、夏に着るものとして選ぶことをおすすめします。近くでよく観察すると網の目のような編み方がしてあるのが見て取れるでしょう。
フランネル
英国のウェールズ地方発祥の、伝統的な織り方の生地です。柔らかくなめらかな風合いで、平織りまたは綾織りのウール生地を縮絨して起毛加工してあるため、表面に少しケバがあります。最近はカシミア混紡のものもあり、冬に選ぶスーツのスタンダードな素材です。
ツイード
こちらも秋冬用向けの織り方の生地です。ざっくりとして、少しゴワゴワした手触りが特徴的な厚手の紡毛織物で、洗練された織り方のスーツとはまた違った自然で素朴な味わいがあります。男っぽさやカントリーテイストを求めるなら最適な素材でしょう。
スーツに使われている生地は実際に目で見て、羽織って体で感じてみて選ぶのが理想です。その際、多少なりとも知識があれば、より自分の目的に適したものを選べることでしょう。色や形だけではなく、スーツの生地についても注目してみてはいかがでしょうか。
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