今回のテーマは
「BIZSPO® For Ladies
スポーツ感覚のオフィスカジュアルスタイル」
「Active & Comfort
(動きやすくて着心地がいい)」
アフターコロナは出勤やテレワークの働き方のハイブリッド化が進み、世の中は健康意識がより強くなりました。
今回は「健康管理・維持のためのスポーツ」に着目し、
動きやすくて着心地がいい、
スポーツ感覚のオフィス
カジュアルスタイルをテーマとして取り組みました。
STORY
毎日の通勤ラッシュによるストレスに注目。
出勤や退勤中、仕事の休み時間など、
ちょっとした仕事の合間に気軽に運動ができる
シャツを提案します。
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仕事時はファスナーや
ボタンを留めて
きちんと感を。 -
運動時はファスナーや
ボタンを開けて動きやすさを。通気性もGOOD◎
DESIGN
※デザイン画は仕上がり商品と一部異なる箇所がございます。
通勤ワークアウト
※オンラインショップでのお取り扱いとなります。
STORY
スポーツのアスリート「Athlete」×現代社会で明日をリードする、働く女性「Future leaders」 Athlead(アスリード)
ORIHICAメンズの定番商品「ビズポロ」を意識し、アクティブに働く女性に向けた「ビズポロ」を提案します。
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1枚でスマートに。
名札やカードを入れられる
胸ポケットが便利。 -
ジャケットと合わせて
よりフォーマルに。
Athlead(アスリード)
※オンラインショップでのお取り扱いとなります。
INTRODUCTION
スポーツ感覚のオフィスカジュアルスタイルをデザインした
女子美術大学の学生と授業担当教員をご紹介します。
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Commute Workout
通勤ワークアウト
学生デザイナー
Okano Asuka
芸術学部 アート・デザイン表現学科
ファッションテキスタイル表現領域 -
Athlead
アスリード
学生デザイナー
Matsuo Rikako
芸術学部 アート・デザイン表現学科
ファッションテキスタイル表現領域
アート・デザイン表現学科
ファッションテキスタイル表現領域 教授
山村 美紀
https://www.joshibi.ac.jp/teachers/631
クリエイティブパタンナーとして複数のアパレル企業を経て、現在は衣服設計・構成を中心に研究活動を行っている。
COMMENT
ORIHICAクリエイティブ・ディレクター
「サリーム・ダロンヴィル」をはじめ、
学生デザイナー「Okanoさん」「Matsuoさん」、
山村教授から頂いたコメントをご紹介します。
ー Okanoさん・Matsuoさん ー
どのようにテーマやデザインを考えましたか?
Okano Asuka:運動する中で通気性は一番必要だと考えた。その時、過去にスキーウェアのことが頭に浮かんできた。チャックの開閉でメッシュ地が現れ、通気性を高めるという機能があった。それを応用しようと感じた。実際に着用していても、通気性の高さは実感していたので、それをシャツに転用しようと考えた。商品についてはランニングシャツをベースにし、可動域を上げるために前・横・後の3面構成にした。体に沿っていると動きにくいのでゆとりを出したり、伸縮性の高い素材を使うことをイメージしながら企画をしていった。
Matsuo Rikako:ORIHICAの商品を掘り下げて調べて「ポロシャツにしよう」と早い段階で決めていた。ORIHICAの人気商品「ビスポロ」がとても素晴らしいと感じた。しかし、レディースでの展開がなかった。有名ブランドのポロシャツやポロシャツの成り立ちを調べる中で、なぜORIHICAでレディースの展開がないのか疑問だった。既存のポロシャツに、エレガントさも付加し、レディースでも展開したいと思った。もちろん、スポーツの歴史も深堀りした。
この商品を通じて、お客様にどうなってほしいですか?または、どう感じてほしいですか?
Okano Asuka:運動はもちろんだが、昨今は春でも暑く、夏も長いため、日常のちょっとしたシーンでも着用いただき、暑さをしのいでほしいと考えた。また、かたいイメージのあるシャツは暑そうに感じるが、そのイメージを払拭し、シャツをたくさん着て欲しいと思った。
Matsuo Rikako:「働き方改革」の中で、働く女性の見られ方は変わってきている。日本を引っ張る女性=明日をリードしてほしいという想いも込めて「アスリード」にした。服を通じて、アクティブになる、自信がつく、背中を押せる存在になれたらいいなと感じた。
取り組みの中で楽しかったことと、難しかったことを教えてください
Okano Asuka:
《楽しかった点》今までのような自由度の高いデザイン企画ではなく、生活者の求めていることや実際に着用してもえるデザインなど条件があることで、逆にデザインの考え方が変わり、自分の意識やデザイン力が広がってくる感じが楽しかった。相手のためを考えて(他人目線)で服を作ることを見つめ直せた。
《難しかった点》ファーストサンプルの後、手直しを行う際にデザイン通りに行かないこともあり、デザインを形にすることの難しさを知った。今までは自分一人で企画~商品化まで、時間も含めて自由にできていたが、関わる人数が増えたことで、時間もかかるし、自分の考えた当初デザインをそのまま表現する難しさ、デザインをそのまま商品化することの難しさを知った。自分の構想をいかに伝えるかはとても考えた。伝えきれなくてもどかしい想いもあった。人に伝えることは緊張してしまうところがあるのでもどかしかった。
Matsuo Rikako:
《楽しかった点》自分の納得のいくものを自由に作ることはあったが、会社に対する認知や求められているものをつくるという発想は初めてで、いつもと違うリアリティがあってよかった。
《難しかった点》ORIHICAにはないが、ORIHICAっぽさがあって、自分のオリジナル性を持たせることがとても難しかった。間に合うかなというはらはら感があったが、最終的に形にできてよかった。企画以外でいえば、プレゼンが好きだが、英語でのプレゼンは大変だった。
今回の経験から学んだことはありますか?
Okano Asuka:デザインの考えるときに、着用する人だけでなく、ものづくりの上でどうかという視点も入れていく必要があったなと気づいた。企業との取り組みに関わる中で、服をつくる過程や細部にまでこだわる、すり合わせることなど、一人ではなく、他の方と一緒に作り上げるということが新鮮だった。
Matsuo Rikako:テキスタイル、服飾の基礎知識を学ぶ機会はたくさんあるが、企業との連携や商品化までのプロジェクトはなかなか経験できない。将来は、衣装・舞台関係を目指す予定だが、コミュニケション力・企画力・リサーチ力・プレゼン力をつけたい、商品化までやってみたいと感じて、この取り組みに参加した。サンプルを見るたびに、企画がブラッシュアップされていく中で、平面(デザイン)が立体(商品)になっていく過程が、理想が研ぎ澄まされていき、大学だけでは経験できなかったことだった。
今後、将来にどう活かしていきたいですか?
Okano Asuka:知らない世界だった。すべてに学びがあった。自分のデザインの段階で、自分にないものを取り入れることが大切だとわかった。今までは、頭の中のデザインと書いてみたデザインで足りない部分があるとき、どう補えばいいかわからなかった。今回は、テーマも絞られていたため、最初から深く調べられた。デザインの段階でテーマ(目的)を絞ることが重要であることがわかった。新しいアイデアは深堀から生まれる。自分の趣味や好きなものだけではなく、その分野に精通することが、よいデザインを生むことを知った。納得のいくデザインができた。
Matsuo Rikako:この取り組みを通じて、商品をつくる楽しさも知れて、自分の強みにも気づけた。「お客様により良い商品を届ける」ということが将来の選択肢の1つになった。将来をじっくり考えるきっかけにもなった。
ー 山村美紀教授 ー
本企画を準備する学生の方々姿を見て感じたことはございますか?
今回のターゲットはレディースなので学生たちはよりリアルに自分事化して製作に取り組むことができているように感じます。一方で、デザインする難しさ、具体的には商品として販売するうえでデコレーションよりも機能性をブラッシュアップしていく作業に試行錯誤している様子が見受けられます。学生たちはORIHICAのオンラインサイトでブランドコンセプトや商品を見たり、実店舗に足を運び、ORIHICAについて研究したうえで本プロジェクトに挑んでおります。
ー ORIHICA(サリーム・ダロンヴィル) ー
全体を通しての感想
今回、スポーツ感覚の女性向けオフィスカジュアルをテーマにした理由は、コロナ禍を経て服装の自由化が進んだことや、健康維持の観点からスポーツの需要が高まったためです。目標は、ファッション性と機能性を融合させたスタイリッシュなレディースブラウスの製作です。3年目となる今回は、16名の学生がプレゼンテーションに参加をしてくださいました。デザインの視覚的な魅力だけでなく、ORIHICAのブランドコンセプトとの整合性も重視し、最終的には2名が選ばれました。これからもこのような才能溢れる若手デザイナーとのコラボレーションを楽しみにしています。